スペイン旅行のためのヨーロッパ地形

地形と文化のかかわり

覇権国家の盛衰は地形が決定要因　?

歴史の推移をも含めた広義の文化は
時代の技術、指導者・・など様々な要因に影響を受けますが、
そのおおもとが地形であることは容易に推測できます。

実際に、ヨーロッパの覇権国家の推移を眺めて見ると、
地形と密接にかかわっていることがわかります。

まず、古代ギリシアは山と海で閉じられた閉鎖的地形の故に小さな都市国家勢力として台頭できました。
古代ローマ帝国は当時先進地域であった地中海域を軍事支配するのに有利な地中海中央に位置、
暗黒時代後に躍進したのは商業時代のローマではなく、開墾に優位な広い平野があり、農業時代に適したドイツとフランス、
大航海時代に入ると新大陸との往来港に恵まれたポルトガル、スペインが躍進、
重農主義時代には基幹産業である牧羊地の豊富なイギリス、
そして産業革命へと進んできています。

政治的・軍事的隆盛が文化に反映され、覇権国家の文化がその時代の主流になるのは当然のことで、
ギリシアの場合は美しい地形を反映し、美しさ・調和の精神、
ローマは軍事制圧のためのローマ道、ローマ橋の建造から堅固さ、
ドイツ・フランスは農地開墾を担った修道院の影響を受け、信仰心、
スペインは新大陸貿易で荒稼ぎしたため労働蔑視の性向、
イギリスは重農精神で勤勉・・

直感的でかなり乱暴な分類ですが、
世界中旅行してきた経験からすると以上のようになり、
そのおおもとは直接的・間接的に地形にあると強引に思っております。

時代が新しくなり科学技術が進歩するにつれ、地形の重要性は薄れてきていますが、
自然の観光資源は比較的影響が少ないこと、
また、人為的な街並みや建築も主要な観光資源は
産業革命以前の古い時代に形成されたものが多く、自然・地形と調和しております。
歴史地区、中世の街・・などとして保存され、その価値は近年ますます向上しているようです。

観光を深く楽しむには歴史、
歴史を深く楽しむには地形について関心を持つこと、
これがこれからの自然志向派の旅行には不可欠であると確信しております。

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