このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
イベリア美術最高傑作とされる「エルチェの貴婦人像」
写真はエルチェ博物館(バレンシア地方)のコピー像、
本物はマドリッド考古学博物館に所蔵。
時代 | 精神変遷 | 背景又は具体的な表れ、( ) 内は象徴的な図象又は状態。 |
石器時代 | 地母神 | 自然の掟を守ることにより多くの恵みを得た時代、人間の力より自然の力がはるかに勝っていた時代。(土着女神像) |
青銅器時代 | 地母神から英雄ヘ | 農耕民と牧畜民の確執の時代、人間の力を代表する英雄が牧畜民の救世主として台頭、自然の掟を守る農耕民の女神達を制圧。より多くの困難を克服する人間の意志が優先され始める。(旧約聖書のモーセ、ギリシア神話のヘラクレス像は初期の英雄像、クレタ文明のミノタウロス像、赤ちゃんを胸に抱いた女神像は過渡期の象徴。) |
古代国家時代 | 英雄 | 分立小国家を制圧・統合する古代統一国家出現の時代、支配下地域の土着神を統合する神の中の神が必要となリ、英雄である国王が神格化、英雄神のようなものが作りあげられる。(旧約聖書のダビデ、ペルシア帝国のゾロアスター、ギリシアのゼウス像など。) |
中世 | 英雄から地母神 | 統一国家が解体、暗黒時代の無法状態を治めるには強い意志の英雄が必要。 (ロマネスク時代の玉座のキリスト像、ゴシック時代の最後の審判者としてのキリスト像など。) 争乱が治まり社会に余裕が出てくると、人類愛が説かれ始め、地母神が復活、キリストの母が聖母として神格化される。(微笑みの聖母子像、聖母マリア像) |
近世 (南ヨーロッパ) ラテン系 | 地母神 | 北ヨーロツパの宗教改革に対し、反宗教改革としてマリア信仰をより儀式化して強化、カトリックの存続を図る。(聖母被昇天像、無原罪の御宿り像。) |
近世 (北ヨーロッパ) ケ゜ルマン系 | 英雄 | 宗教改革によりムード重視のマリア崇拝を排斥、英雄的なキリストを復活。 (龍退治の聖ゲオルグ騎馬像) ? |
近代 | 人間と科学 | 古代ギリシア合理思想、ルネサンスにより引き継がれてきた人間重視の考え方が浸透、神の存在価値は徐々に希薄となり、産業革命により科学が神に取って代わる。 |
現代 | 科学 | 科学技術のさらなる進展により人間はより自由で豊かになる。成長を続けるアメリカは英雄的な強者の自由が尊重、成熟しているヨーロツパは英雄と地母神の共存精神を融合させ、構成員全体の自由を目指している様子。本来、日本は地母神社会であるはずが、アメリカの影響を強く受けすぎ我を失っているように思われる。 (EU・地域共存体、アメリカの競争・軍国主義、日本の混迷社会) |
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