このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

目からウロコのカメラ講座               目次へもどる
心ゆがめば絵もゆがむ
 は人を表す。おんなじごと、写真は人を表す。この写真はあなたしか撮れない写真。

 こげなこと云いだしたら「えずーなって」クサ、誰も写真ば撮りきらんごとなりゃせんかねぇ。

 バッテン、だらくさかモンなあ、だらくさか写真しか撮れんし、几帳面なモンなあ隅々まで気の行き届いたキッチリした写真しか撮れん。おかしなもんタイ。

 例えば水平線と垂直線。
 書家は一本の線で、その人の実力が分かるゲナ。駅長が子供の頃、習いに行きよった習字の先生からは「心がゆがんどうケン、真っ直ぐな線が引けんっタイ」ておごられよった。

 写真も、水平線と垂直線がどう写っとるかば見ただけで、だらくさモンか几帳面な人かが分かる。勿論、水平線は水平に、垂直線は真っ直ぐに写っとっほうが気持ちのよかクサ。



















 
上・水平線が傾いている。右が遠くに感じられ、遠近感は強調される。
 下・水平線はやっぱり水平の方が安定する。


 わざとゆがめて撮る以外は、水平線と垂直線が真っ直ぐなっとるかどうか、ファインダーのなかで、ちょっとばっかし気ば配れば済むこっタイ。

  
水平線をゆがませるときは
 1, パースペクティブ(遠近感が欲しいとき)
 2, 画面に「動感」を出したいとき

 これば意識してゆがめた水平線ならよか。ただ「不注意な意味のないゆがみ」てゆうとは、写真見る人ば不安感に陥れてしまう。要するに「知ってしたのか、気づかずにそうなったのか」の違いタイ。


 タテの線はよほどワイドレンズでない限り、カメラば水平に構えて撮ると垂直に写る。ワイドレンズの場合や、ズームをいっぱいワイド側にしたときには、水平に構えとっても、垂直線の真ん中がふくらんで写ることがある。

 これはレンズのクセというか、欠点というか、専門的には「収差(この場合はタル型収差)」ていうて、どげんしようもなかと。標準レンズや、ズームば望遠にして使うときは、このクセは出にくいケン、垂直線は垂直かつ平行に写る。





 
右上・少し望遠気味で撮ると、建物の線も、柱の線も真っ直ぐ垂直・平行になる。
 
右下・
ワイドで少しアオルと両側が倒れ込む。真ん中(青い線)は垂直ば崩さんほうがよか。
 左 ・真ん中の垂直線に気をつけて撮る。左右の倒れ込みはレンズのせいやケンしようのなか。


 垂直線がいちばんゆがむとは、標準またはワイドレンズで、カメラを水平じゃのうて、上または下にアオッて撮るとき。(アオルとは傾けること) 
 この場合、両側から建物やら木やらが倒れ込んでくる。

 これも、ワイド系レンズのクセで、倒れ込みをなくして撮るためには「蛇腹式」のカメラが必要となる。建築写真なんかは、そんな特殊なカメラば使うとおケン、建物が直角にそろうた写真が撮れる。

 われわれは、そこまでおおげさな写真が要るわけはなかとやケン、両側の倒れ込みは仕方がなかとして、中央の線だけはゆがまんほうが見やすかタイ。

 まあアオッて撮るときは、ここいらへんが注意事項やねえ。

 
POINT 特に奇抜な効果を狙う以外、むやみにカメラを傾けない。

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