このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

沈堕の滝
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場所・大分県大野町

 原尻の滝から東へわずか6kmほどのところ、大野川に沈堕(ちんだ)の滝いうとがある。

 原尻の滝ほど観光客は来ん。

 落差20mはほぼ原尻の滝と同じ。巾100mが原尻からすると少し小振りバッテン、水量はこちらが圧倒的に多か。

 その水量ば活かして、明治には、西洋の技術ば取り入れた沈堕発電所が作られ、ここで発電した電気が九州初の電車ば大分別府間に走らせた。

 当時の発電所の建物が川岸にまだ残っとる。

 
大正12年、九州電力が滝のすぐ上に発電のための取水堰ば設けた。

 そのために景観が台無しとなってしまい、沈堕の良さがチンダ(死んだ、ちょっと無理か)。

 このことが原尻の滝に比べて人気・知名度で遅ればとる原因となっとる。 

 しかし、右岸ばたどれば手つかずのままの滝壺にも近づけるし、喧噪から遠かこの滝には、この滝の良さがある。

 
むかしは、鎮田(ちんだ)と書いてとった。
 「田ば鎮める」からいつの間に「堕ちて沈んだ」になってしもうたとかはわからん。

 下流500mには高さ18m、巾4mの小さな滝もあり、こちらは雌沈堕(めちんだ)の滝て呼ばれちる。

 さらに県道ば500mほど下れば、対岸に小さな滝がある。
「おちんだ・めちんだ」ときたからこれは「こちんだ」か ?

 そばに古い石橋があって回沈堕橋とあったから、回沈堕の滝ていうとかもしれん。

 左・写真の下は発電所の遺構

 むかしから、この滝は有名やったとみえて、室町時代の文明8年(1476)には、京都から九州に下った雪舟も、ここで滝の絵ば描いとる。

 「鎮田瀑図」ていわれるもんで、いまでも京都美術館にある。

 
左はそのレプリカ

 竹田市から東へ502号線ば15kmで左に地方道26号線の標識。この道路は502と国道57号線の大野町田中ばつなぐ。

 左折して1kmほどで大野川ば渡るとすぐ左に展望所がある。

 ここからでは少し遠かケン、さらに100m程先から左折して小さな橋ば渡ると駐車場がある。
 ここから遊歩道ば歩くと滝にもっとも近づくことがでける。

取材日 2004.12.02/2007.11.11
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