このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

千石山の山茶花
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場所・佐賀県吉野ケ里町
         東背振

 今年(2006)3月に開通した国道385号線の東脊振トンネルは、あの腸捻転カーブの坂本峠ば通らんで、那珂川町から一直線に吉野ケ里へ行ける便利なルートになった。

 料金所のすぐ近くにサザンカの自生北限地があって、このトンネルが出来たおかげで行きやすうなった。 

 ここは背振山から南に伸びるの蛤岳の、さらに南の千石山(せんごくやま)の南の斜面。

 標高300m、2.9haの国有林に2208本が集まって生えとる。

 これだけのサザンカが純林ば形成しとるとは珍しかケンいうてクサ、昭和32年に国指定の
天然記念物になっとると。

 指定地の中は、4〜5m間隔で、根回り1m、高さが10m前後の木が林立しとって、なかには樹齢160年、なんていう古木指定樹も混じっとるバイ。

 サザンカはツバキ科の常緑樹で、九州・四国の温っかとこに自生しとるとゲナが、東脊振のこの辺りが、自生地の北限らしか。

 開花期(11月上旬)には、この樹林一面が雪の降ったごと真っ白になると。

 いままでは、道路が無くて行きにくかったバッテン、いまはすぐ下に車道がついて、しかも
「さざんか千坊館」ていう展望施設から、樹林に行く階段まででけたケン、簡単に行かるうごとなった。


取材日 2006.11.9 。
今年は開花が1週間以上遅れとるゲナ。見頃は15日頃まで。 

 「山茶花」ていうとはねぇ、椿の漢名(中国名)が「茶山花」で、それがいつの頃からかこのサザンカの名前として間違って定着したらしか。

 そやケン、「山茶花」て書きよるとも本当は間違うとるとタイ。

  原産地は日本。江戸時代に長崎の出島オランダ商館に来とった医師のツンベルクていうとが、こそーっと ヨーロッパに持ち帰ってから、西欧でも広まった。それで英名もSasanquaタイ。

 山の茶の花ていうぐらいやケン、茶とも親戚筋になると。

 正式には、椿(つばき)科のカメリア属で、学名がCamellia sasanqua。
 金花茶(きんかちゃ)・薮椿(やぶつばき)・乙女椿(おとめつばき)・山茶花(さざんか)・寒椿(かんつばき)・
茶(ちゃ)
 これ、みーんな親戚タイ。

 いまの娘たちは「山茶花」て書いても、チャンと読みきらん。
 そやケン、花の名はカタカナで書くごと文部科学省は指導しとるとやろか。

 「さざんかの宿」ていうヒット曲のあったとぐらいは知っとるやろうバッテン、次の話はもうじいさん・ばあさんしか知らんやろう。

 戦後まもなく「あきれたボーイズ」ていうグループがあってねえ、坊屋三郎、益田喜頓、山茶花究などがメンバーで人気もんやった。

 この山茶花究(ささんかきゅう)さん、日本映画全盛時代に俳優としても活躍しなったっちゃが、命名の由来は、さざんがきゅう(3 × 3 = 9)やった。

 長崎自動車道ば東背振ICで降りて左折すれば、国道385を一直線。

 5分(4km)で右に「さざんか千坊館」があって、その駐車場から国道の下ばくぐって、階段で100段ぐらい上がれば、サザンカ自生地の展望所に着く。

 「階段ば100段も上がりきらんバイ」ていう人は、「さざんか千坊館」の前ば50mほど行き過ぎて左折すれば、駐車できる場所があって、ここからならほとんど横歩き50mで行ける。

 高速料払うとがイヤな人は、那珂川町の筑紫耶馬渓・南畑ダム経由で東背振トンネルから下って行くとよか。

 
普通車300円・軽自動車250円 

取材日 2006.10.31/2006.11.09
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