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庶民の茶碗ば山んごと焼いた明治の登り窯       「長崎県」の目次へ
 長崎県指定史跡

 長さ23m×横10m×高さ4m。三つこぶのラクダ窯。波佐見町永尾郷に現存する日本最古の古窯。これが智恵治登窯タイ。

 江戸時代の連房式登窯の形式ば残しとる肥前地区では唯一のものらしか。

 もともとの築窯は明治40年で、富永六治と山崎半三郎が使いよったケン、富永窯とか六治窯ていわれよった。

 昭和10年に小柳智恵治がここに敷地ば購入して、窯ば今の形に築き直し、再び火ば入れたていう。
 以来、窯の名は「智恵治窯」

 当時は石炭窯がヨーロッパから導入され、伝統ある登窯はどんどん廃窯されよつた中で、この窯は大変よう焼ける窯として有名やったらしい。

 薪のタタラギで焼いた当時の立派な製品が今でも残っとる。智恵治さんは昭和17年まで使用しとんしゃったが、その後貸し窯として昭和27年まで使われとったゲナ。

 窯室数5室のうち、下段の2室が昭和30年に取り壊され、五つこぶがいま残っとる三つこぶになっとる。

 平成17年度に経済産業省の近代産業遺産にも認定された。

 波佐見町観光協会にある「はさみ観光ボランティア協会」にお願いすれば、
1,000円で親切な案内と説明ばしてもらえる。

まあだあった巨大登り窯 
 智恵治窯も大きかバッテン、2006年に分かった大新登り窯は、奥行き5メートル、幅8メートルの窯室を最盛期で39室連ねた江戸時代の階段状連房式登り窯。170mの長さは、中尾登り窯の160mば越えて世界一かも知れん。

 これで巨大窯による磁器の高度な量産態勢ば確立しとったことが裏付けるられた。また、磁器製食器ば日本全国に普及させた歴史ばひもとく上で重要な発見ていわれとる。ギネスもひゃーってたまがった。

 柵はしてあるバッテン、カギはかかっとらんし、窯の中まで自由に入られる。

 指定文化財云うても、その点田舎はのんきなもんタイ。

 熱変したレンガの壁が光って美しか。

 場所・長崎県波佐見町永尾郷。九州高速長崎道ば嬉野ICで下りて、県道1号線(波佐見・佐世保方向)へ右折。約4kmの永尾山バス停で左折すればすぐ。                                 取材日 2007.8.31

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