このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

福岡の西中洲から移築した           「福岡県」の目次へ
県指定有形文化財                                        

 グリーンピア八女のなかにある明治の館ていう建物は、以前は福岡の西中洲にあった旧大同生命保険相互会社福岡支社のビルが移築されたもの。

 今では福岡県指定の有形文化財として、1階はチャペルでムードいっぱいの結婚式場、2階はパーティー会場、コンサートホール、美術展、研修会場として活用されとる。

 もともと明治の館は、明治45(1912)年に建設されたルネッサンス様式の建物で、西洋風のレンガ造りが美しかった。昭和61年(1986)に大同生命保険創立80周年ば記念して福岡のビルば建て替えることになり、旧ビルば有効活用して貰おうと、グリーンピア八女に移築された。

 設計した田中実いうとは、明治18年(1885)東京生まれ。東大の建設学科に入学し、辰野金吾の指導ば受けて明治41年(1908)に卒業。

 清水組(いまの清水建設)に入り、優れた意匠力を発揮する。27歳の時に師匠辰野金吾に任されて唐津銀行の設計ばした。

 我流デザインば取り入れ、赤レンガ調タイルによる建築家としての才能ば開花させた。

 ここの赤レンガ2階建ても、彼が27歳の時の気鋭の作品として有名かった。

 
辰野金吾(たつの きんご)いうたら、日本銀行本店やら、東京駅ば作ったことで知らんもんはおらん明治の建築家で、九州では武雄温泉の本館と楼門ば設計しとる。

建て変わった今の大同生命は、でけあがったとが昭和62年(1987)4月で、地上14階 地下1階。
前からの場所中央区西中洲12-33にある。

 大同生命は、明治35年(1902)、当時朝日生命(現在の朝日生命とは別会社)ば経営しとった加島屋(かじまや)が主体となって、東京の護国生命、北海道の北海生命との合併により設立された。

 江戸時代、大坂有数の豪商やった加島屋は、明治維新の動乱により家勢が傾き、その危機ば救うたとが、17歳で加島屋の次男・広岡信五郎に嫁いてきとった
広岡浅子やった。

 浅子は、七転び八起きば超える「九転十起」を座右の銘とし、炭鉱経営などに参画。さらに中川小十郎ばはじめとする有能な人材ば招聘し、大同生命の創業にも深く関わるなど、その手腕を遺憾なく発揮しとった。
 加島屋ば立て直した浅子は、夫・信五郎が死んだ後、事業ば女婿の広岡恵三(大同生命第2代社長)に託した。

 大正8年(1919) 71歳でその生涯に幕ば下ろした浅子は「普段から云うとることが遺言」て云うて、最期の言葉は残こさんやったゲナ。明治・大正ば全力で駆け抜けた女性実業家・広岡浅子の生涯は、2015年度後期連続テレビ小説「あさが来た」(NHK)のヒロインのモデルになった。

 
「あさが来た」(あさがきた)は、平成27年(2015年9月28日から2016年4月2日)に放送され、放送期間中の平均視聴率は23.5%となり、連続テレビ小説としては今世紀最高の視聴率ば記録した。
        大同生命
↓結婚式に使われる1階のチャペル。↑正面の入口。
↓2階のパーティ会場      ↓洒落た手摺りの階段
 くつろぎの森  グリーンピア八女

「くつろぎの森グリーンピア八女」は、もともと昭和60年(1985)、国の大規模年金保養基地計画(グリーンピア)のひとつとして開発整備されたもんで、約300haの広大な土地に、宿泊・スポーツ・レジャー・温泉などが設備され、森と大小の湖ば巡る遊歩道などが設けられた大規模な公的リゾートホテルとしての性格ば持つ自然総合公園やった。

 グリーンピアいうとは、日本列島改造論ば掲げる田中角栄内閣の計画の元で、厚生省が被保険者、年金受給者などのための保養施設として、昭和55年(1980)から昭和63年(1988)にかけて、日本全国に13ヶ所設置した。

 施設ば作る資金はどこから持って来たかていうと、我々が掛け込んできた厚生年金タイ。
 作った施設は、地方の公共団体に委託して運営しよったとバッテン、経営者でもなか素人役人がちゃんとでけるはずはなかタイ。

 それに天下った官僚達が、とんでもなか高給ば取っとったもんやケン、どこも経営不振で四苦八苦。このままじゃやっていけんいうことになって、平成17年度(2005)までに廃止することが、閣議決定された。

 公的施設として引き続き活用されるように地元の自治体への譲渡ば進め平成17年(2005)中に、全てのグリーンピアの譲渡が完了した。

 国民の年金保険料1,953億円ば投じて整備されとって、譲渡・売却されたグリーンピアの売却総額は、僅か約48億円。0.02%。10万かけて作ったものが2千円。まさにたたき売りやった。

 しかも初めは公共利用と10年間の転売禁止が課せられとったとバッテン、平成27年(2017)5月、それも取り払われて、どこもホテルやレジャー施設として順次民間が営業ば始めた。

 グリーンピア八女も平成16年( 2004)11月に黒木町(現在の八女市)へ譲渡され、黒木町が運営しよったバッテン、合併して八女市になったもんやケン、いまは東京に本社のある民間企業が 委託され
「くつろぎの森・グリーンピア八女」として営業しとる

←そげなことは知らんで、取付道路から、公園のなか全体、自然は美しか。とくに紫陽花の頃は素晴らしか。

 場所・福岡県八女市黒木町木屋10905。太宰府ICから九州自動車道で八女ICまで。38km。25分。ETC1,180円。取付道路ば出たら国道442号線へ右折して約15km。八女市内ば抜けて黒木の町も抜けて、「黒木中学校前」信号で右折。すぐ川渡って県道802号線で山ん中へ入っていく。約3kmでグリーンピア八女の案内板に従って左折。グニャグニャした取付道路ば2kmでゲートに到着。後は場内案内板が教えてくれる。 取材日 2005.6.24〜2008.11.4

待合室へ

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください