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奥豊後の大野川・緒方川は石橋ばっかり         「大分県」の目次へ
  産業遺跡

左が「犬飼橋」右の赤いとが最も新しか歩行者専用の「犬飼中橋」、右奥オレンジが「犬飼大橋」

 大野川・緒方川流域の奥豊後一帯は石橋の宝庫。
 奥豊後(おくぶんご)いうたら、大分県(旧豊後国)南西部ば流れる大野川の上中流にあたる地域のこと。

 大分県内に現存する505基のアーチ式石橋(歩道橋も水路橋も合算して)のうち、大野川水系ではその約40パーセント、200基がまぁーだ残っとる。

 上流から見ていくと、長瀬橋(六連、78メートル) 原尻橋(五連、73メートル)鳴滝橋(五連、73メートル)

 特に原尻の滝の上流にある原尻橋の端麗な容姿がすばらしか。これら三橋はいずれも大正11〜12年の架橋で、当時、豊肥本線が大分市から逐次開通するにつれて物資の運送が必要になってきたのが理由と考えられとる。それでは上流の長瀬橋からスタート。

 高欄に、特徴あって、間柱と間柱の間が、石板で壁となっている。増水した場合、水を流しやすくするのに、不都合はなかったちゃろうか。

 豊後大野市は、阿蘇溶結凝灰岩に覆われた台地やケン、その峡谷ば渡る道路橋と台地の灌漑用水路が形成されてきた、これは産業・文化の歴史的産物であると同時に、今なお保存だけでなく現役橋で働いとるとが多い。

 橋は当時のまま残り、現在は歩行者専用として使われ、昔と変わらん川の姿ば見ながら歩くことがでける。

 ↑ 手前が「犬飼橋」、ひっついとる赤いとが「犬飼中橋」奥のオレンジ色が「犬飼大橋」 ↑ 「犬飼橋」
↑ まあだ見た目にも、歩いてみてもしっかりしとるケン、歩行者専用いうとは勿体なか気がする。
 長瀬橋は、大分一の河川・大野川上流の緒方川にかかる。原尻の滝の上流2kmにある。

 橋の長さは、78m、橋幅4m、径間10mの細長く感じる6連の石橋。そうやろう緒方町の石橋では一番長い。大正12年(1923)、大分県による造営で、長く、緒方町と宮崎県高千穂町を結ぶ県道4号の橋として使用され、現在も機能しているが、上流に新県道橋が作られた。

 大正期のレトロな石橋で、アーチ状の橋桁も美しく歴史的にも大変価値のある歴史的建造物。まわりの景色にもよく溶け込んどる。
 設計したとは原尻の滝橋と同じ中島技師と推測され、当時の小富士村辻区と上緒方村上年野区が、補助ば受けて工費7,390円で架設した。

 場所・大分県豊後大野市緒方町上年野。太宰府ICから九州自動車道ば熊本ICまで92km、60分、2590円。熊本ICば出たらそのまま国道57号線ば阿蘇通り越して約70km、朝地駅ば通り越したら約1kmの「大恩寺」信号で右折。県道46号線ば4km南下。国道52号線と交わる「三郎大橋北」信号で右折。緒方バイバスば800m走って「原尻の滝入口」信号通過。あと緒方川に沿うて1.2kmで左にある。        取材日 2008.5.6

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高欄の柱に寄付した131人の名前が       「大分県」の目次へ
  産業遺跡

 原尻橋は、日本の滝百選のひとつ「原尻の滝」のすぐ上流にある5連アーチの橋。

 緒方橋、鳴滝橋とともに、町ば代表する3大石橋のひとつといわれとる。

 田園の中に溶け込んだ、きれいで堂々たる姿は、大正時代から変わりなく、川面に「ふるさと」の風景ば映し出しとる。

 橋下の原尻川はこのあたり特有の川底ばしとって、それもこの橋ば楽しませるひとつの要素となっとるていう。

 当時の設計図ば見ると寸法は呎(フィート)・吋(インチ)で表示されており、県の中島啓文技師の設計。

 石工は 川野茂太郎。工事中  に、右岸側が一部崩れ、積み直したということらしか。

 この橋がでけたとは大正12年(1923)。橋の長さは73.0m、橋幅が3.70m、径間13.0mで5連の石アーチ橋。

 高欄の束石に、寄付者の氏名と金額を刻んであるのが珍しく、131本の石柱に、131人の名前が刻まれとる。

 このような土木工事に、これだけ多くの人の寄付があったというのも、驚きタイ。

 石橋の上は舗装され、いまも現役の橋として活躍しとる。

原尻の滝
 幅120m、高さ20m。田園に囲まれた平地に突如滝が現れるのが特徴で、「東洋のナイアガラ」と称えられることもあるゲナ。

 滝周辺に広がる田園地帯は、9万年前に大爆発した阿蘇山の火砕流が何十メートルもの厚さに堆積して出来た大地で、今なおその大地ば削りながら滝は成長しとる。

 滝は阿蘇の溶結凝灰岩が崩落してできたもので、崖面には柱状節理を見ることがでける。

 滝の下流には木造の吊り橋「滝見橋」が、また、すぐ上流には沈下橋がそれぞれ架けられており、これらの橋ば通って滝の周りば一周する遊歩道が整備されとる。
 また、滝壺の岸まで降りたり、滝壺ばボートで遊覧することもでける。

 滝のすぐ下流左岸には、道の駅原尻の滝があり、滝ば見学する際にはその駐車場が利用OK。

 原尻の滝周辺の水田には、休耕期に約50万本のチューリップが植えられ、開花期の4月に緒方チューリップフェスタが開催される。

場所・大分県豊後大野市緒方町原尻 太宰府ICから九州自動車道ば熊本ICまで92km、60分、2590円。熊本ICば出たらそのまま国道57号線ば阿蘇通り越して約70km、朝地駅ば通り越したら約1kmの「大恩寺」信号で右折。県道46号線ば4km南下。国道52号線と交わる「三郎大橋北」信号で右折。緒方バイバスば800m走って「原尻の滝入口」信号通過。あと緒方川に沿うて600mで左にある。             取材日 2008.5.6
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小さいアーチが5連の石橋            「大分県」の目次へ
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 鳴滝橋(なるたきばし)は大正11年に架設された均整のとれたアーチの石橋。 原尻の滝の約3キロ下流の田園地帯にかかっとる。

 少し足太で頑丈な感じのする石橋で、5連のアーチが美しか。石橋の町とも言われとる豊後大野市緒方町ば代表する橋のひとつ。

 橋長は50.0m、径間(こうかん、アーチの幅)が8.2m、形式は5連石造アーチで石工は川野茂太郎やった。

 国道502号ば走ると見える、小さいアーチが5つ連なる、いかにも石橋という橋。豊肥線緒方駅の開業が迫っとった時期に、当時の南緒方村から緒方村へ通じる道路に架設された。

 平成5年の集中豪雨で高欄・壁石が流失し、壁石のみ復元されたバッテン、高欄は新しゅう改修されてしもうた。

 厳しか自然に耐えて、完成した当時のままで長く保存するのがいかに難しいかば示しとる。橋上はコンクリートで補強され、現在も、県道の橋として使われとる。

場所・大分県豊後大野市緒方町知田 太宰府ICから九州自動車道ば熊本ICまで92km、60分、2590円。熊本ICば出たらそのまま国道57号線ば阿蘇通り越して約70km、朝地駅ば通り越したら約1kmの「大恩寺」信号で右折。県道46号線ば4km南下。国道52号線と交わる「三郎大橋北」信号で左折。あとは緒方川に沿うて約1km走ると右手に見えてくる。     取材日 2008.5.6
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