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いつも水しぶきばあげる明治の石橋       「佐賀県」の目次へ

 背振の南麓、城原川(じょうばるがわ)に水ば噴く石橋がある。
 
 動力ば使わずに、高低差ば利用して一日中橋の欄干から水しぶきば上げよる。

 この橋は明治23(1891)年に建設ば始め、明治24年5月25日に完成した。

 当時では、地形や工法上の困難ば克服した歴史的な建造物て云われとる。

 長さ20m、幅員6m、急流の負担に耐えるため橋脚ば両岸の岩盤に固定し、アーチ型の石橋とした。この橋の完成で、三瀬・背振の里道と、神崎への仁比山(にひやま)県道がつながり大変便利になったていう。

 当時の金で総工費は875円やったゲナ。それ聞いたとき「あぱーん」としてしもうた。今ならさしずめ2億円以上かかるやろう。

 バッテン、この文化遺産もその後、交通量の増加と車両の大型化によって、老朽化が進み危のうなったケン、昭和53年、上流100mに鉄筋コンクリート橋ば架け石橋は引退した。

 コンクリート橋は50年が限度ていうとが相場げなケン、100年近か石橋の寿命には頭が下がる。

 夏には橋のすぐ下にある滝で子供達が歓声ばあげ、水遊びばしとる。
 また春には、この県道2kmにわたって桜のトンネルが現れ、桜街道といわれる程の人気スポットになる。

 土木機械もなか時代に、先人が苦労して作んなった近代化の土木遺産として、老後ば大切にしてやらないかんタイ。

写真はぜーんぶ眼鏡橋。夏は下りていけば天然のシャワーが浴びられる。
 場所・佐賀県神崎市。国道34号線の神崎「役場前」信号から三瀬への県道21号線ば北上する。県道31号線との「飯町」信号ば直進して、長崎自動車道の下ば抜けるとすぐ右が宝珠寺で、九年庵も仁比山神社もこの一帯にある。
 さらに3kmで桜並木ば抜けると眼鏡橋に着く。           取材日 2004.10.18〜2006.10.31
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