このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

高千穂鉄道が走らんごとなった美しか橋         「鉄道遺跡」の目次へ
 鉄道遺跡

 第三五ヶ瀬川橋梁は、日之影町八戸ダムの上流に架かる高千穂鉄道の橋やった。なし、過去形かていうと、平成17年9月の台風14号に、路線がヒチャガチャ寸断されて、いまはもう走りよらんけんタイ。

 昭和14年(1939)にでけたこの橋梁は、11連のコンクリート桁橋と鋼トラス、および8連のRC方丈ラーメンから成っとる珍しい橋梁ゲナ。

 写真でいうたら、右がコンクリの桁橋。真ん中が鋼トラス。左が方丈ラーメン橋でいう訳。

     
トロッコ列車神楽号がもうこの橋ば渡ることはなかろう。

て、いうても、なんのこっちゃら分からんやろうケン、橋は素人の駅長バッテン、いい加減に解説すれば、こうなる。

 コンクリート桁橋ていうとはクサ、コンクリで橋脚も上に乗っとる橋桁も作ったもんタイ。鋼トラスていうとは、鉄鋼ば三角形に組んだもんで、だいだい昔の鉄橋ていうとはこれ。難しかとはRC方杖ラーメンやが、RCは鉄筋コンクリートのこと。ラーメンいうたっちゃ、長浜ラーメンじゃなかと。Rahmenてドイツ語でクサ、簡単にいうと橋脚と橋桁が剛結構造になっとる形式ばいうとタイ。剛結構造ちゃなんな。

 ふつうは間にクッション材ば入れるとバッテン、直接結合するやりかたばいうとタイ。これなら地震にも強うて、経費も安う上がるゲナ。

 橋の長さは、全部で274.8m、鋼トラスが46.8m、ラーメン部分が17.2m。

 戦前唯一の鉄道用RC方杖ラーメン橋として貴重な存在タイ。 作ったとは鉄道省で、直轄工事やったらしか。橋脚には鉄筋代りに古レールば使うとるとゲナ。

 貴重なだけじゃのうして、この橋が連続する風景はとても美しか。ある人は「フランスのサン=ミシェル橋に勝るとも劣らん」ていいんしゃるバッテン、そらあ、あんまりとしても、宮崎・橋の日実行委員会が選定した宮崎の橋101選に入っとるし、立派な土木遺産タイ。

上・名前は吾味駅(ごみ)バッテン、メルヘンチックな駅の向こうに第三
  五ヶ瀬川橋梁が見えとる。
左・上からズームしていくと、橋桁には台風から2年にもなるとに、まあ
  だ流木の引っかかったまま。

さらに上流の第四五ケ瀬川橋梁も前後の路盤がはがされてしもうた。

日之影温泉駅
構内の線路はめくれたまま。

 完全に流出した2本の鉄橋(第一・第二五ケ瀬川橋梁)だけで復旧に13億円。延岡〜高千穂間50km全線復旧には26億円と3年7カ月の時間がかかるいう試算が出て、三セク高千穂鉄道が投げ出したあとば、せめて高千穂〜日之影間でも復旧して走らせろうやいうて、民間の新会社「神話高千穂トロッコ鉄道」が立ち上がったバッテン、2億円の寄付ば集めろうちゃ大変やろう。

 枕木オーナー20,000円やら、犬釘オーナー10,000円、一般寄付5,000円。募集しよるケン、協力してやって。

 場所・宮崎県日之影町。旧高千穂鉄道 日向八戸−吾味駅間の五ヶ瀬川。高千穂町から218号を延岡のほうへ約10km。
青雲橋の手前から日之影温泉駅へくだって駅前の道を五ケ瀬川沿いに5km。          取材日 2007.4.9

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