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開通してたったの30年で廃線になった橋 「鉄道遺跡」の目次へ | |
山ん中に埋もれとるこの橋は広平(こうひら)橋梁。 | |
まだまだ、そんくらいのこっちゃなかバイ。正式には改正鉄道敷設法別表の第113号に規定された予定線の一部でクサ、佐賀から瀬高、熊本県の隈府(現在の菊池)ば経て、豊後森に至るていう壮大な路線計画やったと。 そもそも計画が悪かと。 タントと調査費ば腹いっぴゃー使うといてクサ、3年経っても乗降客は計画の半分ゲナ。6億も赤字こきだして、こら、幼稚なんていうもんやなかバイ。市民にどげんいうて説明するつもりか。 この橋の近くに「岡本とうふ」ていう有名な店があって、そこの大将に橋に行く道ば聞いたら、「ウチの土地ば通らな行かれんケン、教えちゃらん」なんて冗談いいながら、詳しゅう教えてくれた。 「橋の上も草刈りせないかんとバッテン」て気にしとんなるところを見れば、汽車の通らんごとなった橋でも、こうして可愛がって貰いよるとが分かった。 広平橋梁ば渡ってこのトンネルば抜け、しばらく行くと北里駅やった。北里柴三郎の生家があって、小国のビジターセンター木魂館(もっこんかん)もある。 橋までの道は、いかにもひとむかし前まで、汽車が走りよったような風情の残る道やった。線路やった跡が車の轍の跡に変わっとった。 廃線の時、ここば走りよったキハ07型気動車は、いま門司の九州鉄道記念館に行先標ばつけたまま保存されとる。 あっそうそう忘れとった。小国に行くとになんで宮原線かて、これ不思議やろう。 | |
豊後森からいうて、この橋のひとつ手前、麻生釣駅は、もう自然にかえってしもうて、駅があったことすら分からんごとなっとるバッテン、汽車が走りよった頃には、映画「男はつらいよ 寅次郎わが道を行く」(1978年)に登場した駅やった。 上・この階段を上がればたしか貨物用のホームがあったはずだが。 ところでなし、こげな周りに人家もなかとこい、駅ば作ったかていうことやが、宝泉寺にしかなかった小学校に通う定期利用者があったけんゲナ。しかもその子達の家は、麻生釣駅からまた9kmも山ん中やつたて。 在りし日、寅さんの映画にも出た麻生釣駅 | |
場所・熊本県阿蘇郡小国町大字西里。九州高速大分自動車道を玖珠ICで下りる。取り付け道路から左折して国道210号線を3kmで粟野の信号を右折する。あとは国道387号線を20km南下。道路が国道とは思えんくらいに狭くなって急カーブが連続しだしたら左に「岡本とうふ」がある。ここで聞くがいちばん 取材日 2007.10.4 | |
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