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日本でいちばん古か立体交差駅         「鉄道遺跡」の目次へ
 鉄道遺産

 むかし、東京から来た修学旅行の生徒たちがクサ、車内放送で「次は、おりおー、おりおー」ていうたもんやケン、みーんなここで降りてしもうたゲナ。

 こらまあ、駅長のぞうたんバッテンね。

 折尾駅は、日本最古の立体交差駅舎タイ

 木造洋風建築の駅舎は大正5年(1916) 7月に完成したルネッサンス風建造物で、建設当時そのままの煉瓦やら備品も残っとる。現在の駅の外壁は、細長い板ば横に張った下見板張り。アメリカ植民地時代ば思わせる、コロニアル様式ていうとゲナ。

 その折尾駅がクサ、折尾地区の総合整備事業(要するに再開発タイ)が進んどって。駅も2020年ばめどに高架化され、上と下に分かれとる乗り場が、同一フロアに集約される予定ゲナ。

 乗り換えはずっと便利になるバッテン、そうなれば、かつての歴史も面影も全くのうなってしまうタイ。

 駅舎は、取り壊すとか、移転保存するとか検討中ゲナ。鉄道側は保存には金がかかるいうて消極的げなケン、へたするとそのうちい、この駅舎はもう見られんゴトなるかも知れん。そやけんやろう、「最近急に東京からやら写真撮りに来る人の増えた」て、駅前駐車場のおっちゃんが云いよんなった。

 ところで、折尾駅の中はややこしか。始めて行ったら迷うてしまう。
二回目・三回目でっちゃ、まあだ分からん。
 頭の悪かもんなあ、何回行ったっちゃ分からんやろう。

 有名な駅弁屋「東筑軒のかしわめし」だけは買うたバッテン、どこから乗ってよかとかウロウロしよるうちに、目的の汽車は出てしもうとった、ていう人も多かもんゲナ。
 駅弁はむかしゃあ、30銭やったげなバッテン、今は945円。駅構内売店2箇所とホームの立売でも買える。

 まず、折尾駅の地図ば見ちゃってんしゃい。構内ば説明するとクサ、

 南北に筑豊本線(福北ゆたか線)が駅の1階ば走っとるっタイ。その上ば直角に立体交差して鹿児島本線が通っとるとの分かるやろう。

 石炭ば運びよった頃、筑豊からの石炭列車ば、直接鹿児島本線に入れな不便やケンいうことで、作った短絡線がカーブしたところ。

 石炭運びの無うなったら、北九州への通勤客が増えたもんやケン、短絡線にも駅が要るごとなってクサ、短絡線の途中に折尾駅・鷹見口がでけた。

 バッテン、鷹見口で乗り継ぐには、いったん駅から出て150mも歩かないかん。

 さあて駅の中やが、東口から改札ば入ったら正面が一番乗り場で筑豊線のホーム。ふつうやったら、鹿児島本線が一番ホームと思うやん・・・鹿児島本線は、二階の3・4番ホームに上がらな乗られん。

 話せば長かことバッテン・・・なしこうなっとるか云うたら、明治24年2月28日(1891)に九州鉄道いうとが、遠賀川〜折尾〜黒崎間ば開通させたとき、折尾の駅は今より200mも東にあったゲナ。

 そやケン、ここには土手の上に線路しかなかったっタイ。

 明治24年8月30日、筑豊興業鉄道が、直方〜折尾〜若松間ば開通させたとき、九鉄とは別のとこに折尾駅ば作った。

 そやケン、乗り換えるためには筑鉄の駅で降りて、東へ土手ば斜めに上って、九鉄の折尾駅でまた切符ば買わないかんやったゲナ。(九鉄は九州鉄道・筑鉄は筑豊鉄道)

 乗り換え時間が2分しかなかったケン、乗り遅れる客ばっかりやったらしか。

 それじゃあいかんめぇもん、いうことで、明治28年11月13日に、2社共同で線路が交差したとこに立体駅ば完成させたと。
それがいまの折尾駅タイ。

 それで土手の下が筑豊線で、土手の上(2階)が鹿児島本線のホームてなっとうとタイ。
 ひとつの駅にはなったとバッテン、ふたあつの会社が同居しとったケン、いろいろ大変やったらしか。

 2階におった九鉄は駅長も駅員も、木綿の制服で勤務しとったげなバッテン、石炭で景気の良かった1階の筑鉄のほうは、駅長はおろか駅員まで、制服はラシャ(羅紗)やったゲナ

   
写真は、1階の2番ホームから見た2階の鹿児島本線、その下のガードばくぐって、筑豊本線が若松へ行っとる。

鹿児島本線の下が3・4・5番ホームとの連絡通路。煉瓦造りの天井は当時のまんま。          

鹿児島本線のホームは全部電化されとるバッテン(右の写真)、1番ホ−ムの筑豊本線は架線がのうてディーゼル専用になっとる(左の写真)。 

駅の構造がややこしかケン、案内板も立体的に書いてはあるけど、やっぱあ、ややこしか。

駅の作りのややこしかとは別として、明治と大正の匂う(写真とのシャレ)折尾駅のトイレと洗面所

160円で入場券買うて探検して見るとも面白かですバイ。
例えば東口待合室のこの椅子は、なんとなんと、駅舎がでけたときからあるげなケン「米寿」は乗り越してしもうて、「卒寿」になっとんなるとゲナ。「すんまっせん」て云うて座らな、てんてらやーすう、座られんごたる。

自然石の階段ば上がれば3・4番線。
 場所・北九州市八幡西区堀川町。鹿児島本線に乗って折尾駅で降りる。ただそれだけ。    取材日 2006.7.11
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