このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
浅井の一本桜 | |
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場所・福岡県久留米市 山本町耳納 浅井の一本桜は久留米市の東、耳納連山の麓、山本町にある。 樹齢100年のヤマザクラだが、幹の太さや全体のボリューム感は300年の桜にも負けてはいない。 この桜は近くの吉谷由久氏の父孝一氏(故人)が、昭和天皇御大典記念に植えたものであるという。 開花はほかの桜より1週間ほど遅く、ソメイヨシノが散ったころ満開となる。 幹廻りが4.3m 高さが18mで直径約20mにわたって、土手の回りに枝をひろげている。 | |
いまの木が植えられたいきさつは、前述の通りだが、戦国時代から、この桜のご先祖にあたる木があったという伝説がある。 この村の百姓の娘サクが、領主草野家清の目にとまり、発心山の城に召し上げられることになった。 恋仲の伍作との分かれが辛く、泣きながら出立の朝、この土手に桜の木を一本植えたサクは伍作に云った。 「この桜が咲いたら、私が元気でいると思ってください。この桜が散らす花びらは、私があなたに逢えない涙と思ってください」 | |
そう云って館に引き取られていったサク。 伍作は毎年、桜が咲くと、サクを思い出しては桜の木の手入れをし、花が散り出すと、花びらと一緒に泣いていた。 不思議なことに、いくら旱魃が続いても、この池が枯れることはなく、この池の水を貰っていた伍作の田が乾くことは無かったという。 | |
池の対岸も昨年(2005年)から整備されて、観覧用に階段状のスタンドまで設けられている。 ここが 最高の撮影ポイントで、カメラを三脚にセットし、弁当持参で夕暮れまで粘っているマニアもいる。 | |
夜のとばりが下りかかる。 夜間照明のライトが点いて、空の青はまだ幾分か残っている時がシャッターチャンスである。 風がない幸運に恵まれれば、池の水面に写る“逆さ桜”は息をのむ美しさ。 小さな溜め池だから、ミラーレイクとは言い難いが、ミラーポンド(Pond) である。 さて、伝説の結末である。 発心城主家清は、この辺りの豪族、草野太郎永平の末裔であったが、 天正16年(1588)に豊臣秀吉によって熊本で誘殺された。 城に残っていた家族・家臣数十人は全員が城で自刃して果てた。 その中にサクがいたことは云うまでもない。 発心城は廃城となり、サクの桜も枯れたという。 | |
九州高速道を久留米ICで降りたら、国道210号線を、日田方向へ走る。 緑化流通センターの信号を右折し、久大線の踏切を渡り、次の信号を左折する。 R151を3Km足らずで左に「浅井の一本桜」と書いた大きな看板が出ている。 狭い村の道を(花の時期は一方通行になる)3分で左に駐車場、露店も出て賑わっている。 | |
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