このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

正覚寺の十六羅漢
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場所・福岡市城南区
        油山
        
 緑の参道ば上がって、新羅石門ばくぐったら、十一面観世音の祀ってある本堂がある。

 その前庭に、左に6体、右に9体の羅漢さんが、それぞれ勝手な方ば向いて鎮座しとんしゃる。

 羅漢さん。
 なんちゅう、やさしか言葉の響きかいね。

 もともと羅漢さんちゅうとは、阿羅漢(あらはん)の略でクサ、サンスクリット(古代インド語)のアルハットが語源ゲナ。

 直訳すれば「修行を完成して悟りを得た人」「悟りばひらいた高僧」ていう意味らしか。

 

 羅漢さんいうたら、五百羅漢が有名やが,これはお釈迦さんの死後、初めての経典編集会議に集まったお弟子さん達のことばいうとゲナ。

 五百羅漢の中には、かならず自分とそっくりの羅漢さんが、おらっしゃるて云われとると。 

 じゃあ十六羅漢はなんかいなていうたらクサ、お釈迦さんの弟子で、特に優れた16人のお弟子さんば、云うとゲナ。

 エリート中のエリート。特待生ちゅう訳やねえ。

 16人のメンバーは

びんどらばらだじゃ
かなかばっさ
かなかはつりだじゃ
そひんだ

なくら
ばっだら
かりか
ばしゃらほったら
じゅはくか
はんたか
らごら
なかさいな
いんかだ
ばなばし
あした
ちゅうだはんたか

訳は分からんバッテン、ていうことになっとると。 

なかでも筆頭の
びんどらばらだじゃ(賓度羅跋羅堕闍)は

 通称を
「おびんずる」さまて呼ばれとってクサ、
庶民に人気のあるとよ。

 なぜかていうたら、みんなが飢えて困っとるとき、食事ば炊き出ししてやんなったていう故事があるけんタイ。

 ようお寺の食堂(お寺の場合はじきどうていうと)に、こん人だけ独立して祀っちゃあ。

 病人がおびんずるさんの、自分の悪かとこば、さすれば治るていわれとって九州では、山鹿の日輪寺が有名タイ。

 ようするに「撫で佛」ちゅう訳タイ。
 

 ところで、正覚寺の羅漢さん、どげん数えても15しかなかとタイ

 なし一体はなかとかいなて、よう考えてみたら、どうも「おびんずるさん」だけが、みんなからさすられ続けたもんやケン、とうとう摩滅してのうなったとやろう・・・ていう結論に達した。

 そのうち正覚寺に聞いてんまっしょうタイ。

正覚寺は、天平年間に西域(インド)の僧・清賀さんが白椿で観音像ば刻んで庵ば結んだとが始まりて云われとる。

 椿の実から油を搾る燈油製法を伝えたとされることから油山。油山観音ていう。

 写真の聖観音像は重要文化財で、2009年盗難に遭うて行方不明やったとバッテン、86日ぶりにひろっと帰ってきなった。

 以来、本堂の警戒が厳重になってキュークツて云いよんなる。

 油山の正覚寺は、六本松から油山観光通りば、真っ直ぐ南へ下ればヨカ。

 山に登るとに下ればヨカちゃ、おかしかバッテン迷うもんなおらんやう。

 登り口に博多工業高校がある。さらに登っていくとラブホテル「城」がある。

 そっちへは入らずに登ったら左に標識が出とって、山門のとこに3台は駐車でける。

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