このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

風連鍾乳洞
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 場所・大分県大分県臼杵市野津町泊。
 大分市から国道10号線ば約40km南下すると臼杵市の野津町に入る。「野津明治橋」の信号からさらに5kmで看板に従い左折するとすぐ風連鍾乳洞に到着。駐車場のそばには鍾乳洞のほうから急流が下ってきとる。
                                          撮影日・20
11.08.06

 地元の青年団が
 探検して見つけた

 風連鍾乳洞は大正15年2月14日に、地元の青年団が探検しよって見つけた。

 昭和2年4月8日に
「風連洞窟」として国の天然記念物に指定されとる。

 いまはふさがれとるバッテン、ここが探検隊が外から入っていった穴。

 血気盛んな若もんが、怖さ半分、興味半分でワイワイ云いながら入っていったに違いなか。

 現在の洞窟入り口。
 地元のおばちゃんガイドさんが、中までチャーンとついてきてくれる。

 外は猛暑バッテン、こっから先 洞内の温度は、年中通して15度やケン、夏は涼しゅうて冬は温っか。

 

 洞窟は全長500m。
 行き止まりの鍾乳洞やケン、奥まではいったら、またここまで戻ってくる。

 閉塞型やケン、風の影響ば受けんで、鍾乳石が均整のとれた美しか形に育っとるとゲナ。

 そやケン
「日本で一番美しか鍾乳洞」て、地元ではいうとんなる。

 探検隊が洞窟の中に出て来た穴。探検道ていう。

 駅長が行った日は、台風の影響で部分的な豪雨やったケン、水かさが増えて穴ん中は水だらけ。

 もうちっと増えたら入場お断りになるとこやった。

 ごうごうと音ばたてて洞内ば流れる水。

 左に石柱。真ん中が石筍(せきじゅん)

 百万年もかかってでけた面白か形。

 それば見て人間が勝手に名前ばつけとる。

 絶え間なくしたたり落ちる水が、岩肌に細かいちりめんのごたる造形ばした。

 気の遠なるような自然のなせる技。

 フローストーン(流華石)ていう。

 洞の中は銀世界・金世界・竜宮城てみっつに分けられとって、それぞれに違う発達ばした面白か造形に触れることがでける。

 これは「腰折れの滝」
 洞窟の天井や壁にしみ出てくる地下水は、地表から浸透してくる過程で周囲の石灰岩ば溶食し、炭酸カルシウムば溶解してしまう。

 この水が洞窟内の空気に触れると、方解石の
晶出が起こって、石灰生成物ば作りだす。ていう訳。

 晶出(しょうしゅつ)いうたら「液体から結晶が 析出 すること」

 水から溶かされて大きな岩に滝のような文様がでけた。名付けて「布引の滝」

 上向いたら気持ちの悪うなるごと鍾乳石が垂れ下がっとる。

 これが長か年月ば経て成長していくていう。

 成長する早さは(ていうか遅さは) 1cm成長するとに約70年から240年。

 鍾乳石のでけ始めは、天井にぶら下がった滴の円周に沿って方解石(ほうかいせき)が沈殿する。

 方解石いうたら石灰岩や大理石や鍾乳石ば構成している鉱物のこと。

 次の滴も同じごと方解石ば晶出させるケン、リング状の方解石の沈殿が進み、次第にストローのごと管が伸びていく。

 これを日本では
鍾乳管、英語ではストロー、イタリア語ではマカロニて呼ぶ。

 さらに鍾乳管の内部に方解石の結晶が成長し、なかば水が流れんごとなると、水は外側ば流れて、鍾乳管は次第に太うなり、つららのごと成長していく。

 ここの
「つらら石」はほかの鍾乳洞んとより細うて繊細に見える。

 これが日本一美しかていわれる理由タイ。

 なし細かとか ?  この洞が閉塞型で、風が吹き通さんけんタイ。

 色は本当は白バッテン、洞窟内の照明がタングステン光やケン、赤茶けて写ってしまう。上の写真がそう。

 そやケン、鍾乳石いうたら黄色か、て思うとる人が多いけど、この写真のごと、ストロボ発光して撮ると本来の色に白く写る。

 バッテン、カメラのちいさかストロボでは光りが遠くまで届かん。

 立体感も出らんケン、色のほうはあきらめて絵柄ば重視した写真が多か。

 洞内の照明ば、太陽の光とおなじ性質のクセノン光に全部変えてしまえば、そらぁしびれるこたる美しか写真が撮れるに違いなか。


 
一番奥の広場は竜宮城て呼ばれとる。
 東西約30m、南北20m、高さ中央部で約14m、西隅では20m以上もある。

 天井、床、四壁すべて黄金色や純白色の鐘乳石で飾られた地下の大宮殿タイ。

 ここば見つけたとき、探検隊の青年たちは嬉しかったろう。

 滴が天井から床に落ちたとこでも方解石の晶出が起こるケン、そこが次第に盛り上がってくる。

 それの成長したもんば
石筍(せきじゅん)ていう。
 石のタケノコとはよう云うたもんタイ。

 天井から成長した鍾乳石と下から伸び上がった石筍とが繋がるたら、これば
石柱ていう。

 風連鍾乳洞に来て、ここの自然とは別に感心したことがある。

 普通やったら入場料とって「気をつけていってらっしゃい」バッテン、
ここはおばちゃんのガイドさんがずっとついとって、案内と安全に気ば使うてくれた。

 社長も増水の具合ば心配して走り回りよんなった。
 その経営姿勢と親切な態度は心地よかった。

 九州の鍾乳洞

千仏鍾乳洞:福岡県平尾台
青龍窟:福岡県・平尾台
目白洞:福岡県・平尾台

七ツ釜鍾乳洞:長崎県・西海市
球泉洞:熊本県・球磨郡

稲積水中鍾乳洞:大分県豊後大野市(日本最長の水中洞窟)

風連鍾乳洞:大分県
小半鍾乳洞:大分県・佐伯市
昇竜洞:鹿児島県・沖永良部島知名町

玉泉洞:沖縄県南城市
星野洞:沖縄県南大東島

 大分自動車道から東九州自動車道ば走って臼杵ICで下りる。

 取り付け道路から左折すればこれが国道502号線。

 約10km走ると国道10号線にぶっっかる。左折2kmで「野津町明治橋」の信号ばまた左折。

 そのまま10号線ば約4kmで道路の右に風連鍾乳洞の看板がある。

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