このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

太宰治ゆかりの地

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太宰の宿「ふかうら文学館」

深浦町大字深浦字浜町に「ふかうら文学館」がある。


「ふかうら文学館」


 当館は、昭和5年「秋田屋旅館」として建築されました。

 多くの著名人も訪れており、本県出身の作家・太宰治も宿泊しています。

 町の文化・観光施設として、平成16年7月「ふかうら文学館」として開館しました。

「太宰宿泊の間」も再現されているが、撮影禁止。

たまらない気持がして私は行きあたりばつたりの宿屋へ這入り、汚い部屋に案内され、ゲートルを解きながら、お酒を、と言つた。すぐにお膳とお酒が出た。意外なほど早かつた。私はその早さに、少し救はれた。部屋は汚いが、お膳の上には鯛と鮑の二種類の材料でいろいろに料理されたものが豊富に載せられてある。鯛と鮑がこの港の特産物のやうである。お酒を二本飲んだが、まだ寝るには早い。津軽へやつてきて以来、人のごちそうにばかりなつてゐたが、けふは一つ、自力で、うんとお酒を飲んで見ようかしら、とつまらぬ考へを起し、さつきお膳を持つて来た十二、三歳の娘さんを廊下でつかまへ、お酒はもう無いか、と聞くと、ございません、といふ。どこか他に飲むところは無いかと聞くと、ございます、と言下に答へた。ほつとして、その飲ませる家はどこだ、と聞いて、その家を教はり、行つて見ると、意外に小綺麗な料亭であつた。

『津軽』

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