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宮沢賢治ゆかりの地
旭川東高校の詩碑
明治36年(1903年)2月14日、北海道庁立上川中学校創立。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
大正12年(1923年)、旭川中学夜学校設立。 |
旭川。 | |
宮沢賢治 | |
植民地風のこんな小馬車に | |
朝はやくひとり乗ることのたのしさ | |
「農事試験場まで行って下さい。」 | |
「六条の十三丁目だ。」 | |
馬の鈴は鳴り馭者は口を鳴らす。 | |
黒布はゆれるしまるで十月の風だ。 | |
一列馬をひく騎馬従卒のむれ、 | |
この偶然の馬はハックニー | |
たてがみは火のやうにゆれる。 | |
馬車の震動のこころよさ | |
この黒布はすベり過ぎた。 | |
もっと引かないといけない | |
こんな小さな敏渉な馬を | |
朝早くから私は町をかけさす | |
それは必ず無上菩提にいたる | |
六条にいま曲れば | |
おゝ落葉松 落葉松 それから青く顫えるポプルス | |
この辺に来て大へん立派にやってゐる | |
殖民地風の官舎の一ならびや旭川中学校 | |
馬車の屋根は黄と赤の縞で | |
もうほんたうにジプシイらしく | |
こんな小馬車を | |
誰がほしくないと云はうか。 | |
乗馬の人が二人来る | |
そらが冷たく白いのに | |
この人は白い歯をむいて笑ってゐる。 | |
バビロン柳、おほばことつめくさ。 | |
みんなつめたい朝の露にみちてゐる。 |
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