このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
芭蕉の句碑
蠣よりは海苔をば老の売りもせで
鳴門市里浦町里浦花面に宝珠寺という寺がある。
高野山真言宗
の寺である。
本堂の裏山に庭園がある。
庭園の斜面に芭蕉の句碑があった。
蠣よりは海苔をば老の売りもせで
出典は『続虚栗』。
貞亨4年(1687年)の句。
西行の歌の本歌取りである。
串に刺したる物を商ひけるを、何ぞと問ひければ、蛤
を乾して侍なりと申けるをきヽて
同じくはかきをぞ刺して乾しもすべき蛤よりは名もたよりあり
『山家集』
去来曰く、古事古歌を取るには、本歌を一段すり上げて作すべし、喩へば、「蛤よりは石花
(かき)
を売れかし」といふ西行の歌を取りて、「かきよりは海苔をば老の売りはせで」と先師の作あり。本歌は、同じ生物を売るともかきを売れ、石花は看経
(かんきん)
の二字に叶ふといふを、先師は生物を売らんより海苔を売れ、海苔は法
(のり)
にかなふと、一段すりあげて作り給ふなり。「老」の字力あり。
『去来抄』
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