このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句碑


花に浮世我飯黒く酒白し

片品村鎌田に芭蕉の句碑があるというので、探してみた。


 国道120号から片品中学校に向かって400m程入ると、民家の庭の片隅に「芭蕉句碑」と書かれた標柱があった。

芭蕉の句碑


花に浮世我飯黒く酒白し

  『虚栗』 (其角編)に「花にうき世我酒白く食(めし)黒し」とある。

天和3年(1683年)、芭蕉40歳の句。

 この句碑は、現在鎌田の大松(今は枯れて古株ばかり)よりやゝはなれた畑の中にある。かなり大きな自然石に彫られている。聞くところでは、もとは、菅沼から東小川へゆく、松並木にあったものを、こゝへ移したものだという。

『片品村史』

明治18年(1885年)、文旋・狸斐建立。

 天和三年「虚栗」の句は『我酒白く食黒し』だからその中、下を勝手に転倒した以上もはや正銘の芭蕉句ではない。その上州東入式芭蕉句碑ともいうべきものが利根郡片品村鎌田の旧東小川道一本松に立っている。縦三尺、横三尺五寸の川原石を少しみがいた堂々たる碑材で彫りの浅いのがやや欠点。明治十八年文旋・狸斐の建立に成り県下にただ一つの珍しいもの。隣合せの野ダメがプンとにおって来て尿前の関の一夜を思わせるのもお愛敬である。

『上毛芭蕉塚』(本多夏彦著)

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