このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句碑


(山)里ハ万歳遅し梅の花

伊那市上牧の旧家唐木氏宅に芭蕉の句碑があるというので、探してみた。


上牧の旧道沿いに唐木氏宅を探したが、上牧に唐木氏宅が30軒余りあるという。

何度も何度も尋ねて、やっと探し当てた。

唐木邸の奥庭に芭蕉の句碑があった。


上部が欠けている。

(山)里ハ万歳遅し梅の花
   桃青翁

榾の火愛(めで)て霞れにけり
   伯先

真蹟懐紙に「伊陽山中初春」と前書きがある。

元禄4年(1691年)春、故郷の伊賀で詠まれた句。芭蕉48歳の時である。

『笈日記』 (支考編)は岐阜部の『瓜畠集』に収録。

 文化14年(1817年)、 中村伯先 の後見で唐木唱古と大野田瓢馬が建立。記念集『宇女末従利(うめまつり)』刊行。

『宇女末従利』に芭蕉の句を発句にして伯先、唱古、瓢馬の歌仙がある。

山里は万歳遅し梅の花
   芭蕉翁

榾の火愛て霞まれにけり
   伯先

日の匂ひ蝶待心塵もなし
   唱古

いつかそこねし籬そゝくふ
   ゝ

蓑三とせ売て戻し松の露
   瓢馬

粟に鶉を換てやる月
   ゝ

唱古は上牧の名主唐木粂左衛門。初号嘯虎。伯先の門人。

寛政3年(1791年)、上牧村に生まれる。

天保14年(1843年)12月、53歳で没。

文翁唱古居士

 後日、再び唐木邸を訪れ、郷土史家の竹入弘元先生、 「信州のアウトドア生活」 代表の唐木隆夫氏を交えて歓談した。

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