このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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牧水ゆかりの地

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中山道坂本宿

上信越自動車道松井田妙義ICから県道51号で国道18号へ。

「碓氷峠鉄道文化むら」を過ぎて国道18号の旧道を行くと、中山道 坂本宿 がある。


坂本宿上木戸


「蔦屋」は若山牧水が泊まった宿。

若山牧水宿泊の「つたや」

 碓氷峠にアプト式鉄道が開通してから15年後の明治41年ごろになると、繁栄を極めた坂本宿もすっかり見る影を失い寂れてしまった。

 この年の8月6日、牧水は軽井沢に遊んでから 碓氷峠 を越えて坂本に宿をとろうとした。ただ一軒残っている宿屋「つたや」に無理に頼んでとめてもらうことにした。

 寝についても暑さで寝つかれず焼酎を求めに出、月下の石ころ道を歩きながらふと耳にした糸繰り唄に一層の寂寥感を覚え口をついて出たのが次の歌である。

秋風や碓氷のふもと荒れ寂し坂本の宿の糸繰りの唄

明治26年(1893年)4月1日、横川〜軽井沢間にアプト式鉄道が開通。

 明治四十一年の眞夏、私は輕井澤を午後に立つて碓氷の舊道を歩いて越え、日沒頃にその坂本に入つた。碓氷峠を挾んで西と東、輕井澤と共に昔の中山道では時めいた宿場だつたに相違ない其處なので一軒位ゐはあるであらうとあてにして來た宿屋がまるで無かつた。ただ一軒、蔦屋といつたと思ふ、木賃宿があつた。爺さんと婆さんとに一度斷られたのを無理に頼んで泊めて貰ふことになつた。

『樹木とその葉』(桃の實)

歌は牧水の第3歌集『別離』に収録されている。

わかれては十日ありえずあわただしまた碓氷越え君見むと行くに

胸にただ別れ来しひとしのばせてゆふべの山をひとり越ゆなり

秋かぜや碓氷のふもと荒れ寂びし坂本の宿の糸繰の唄(坂本に宿りて)

第3歌集『別離』

「君」は 園田小枝子 である。

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