このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

私の旅日記 千葉

誕生寺〜夏目漱石〜
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入道ヶ岬 付近のトンネルを抜け、 誕生寺(HP) へ。


誕生寺は 日蓮宗 の大本山。

佐久間柳居は誕生寺に句を奉納している。

題目に波の鼓も夜さむかな


誕生寺総門


   惣門よりうちは漁家あまたあり

小いわしを玉のいさこや寺の庭


仁王門遠景


仁王門の左に誕生堂がある。


 明治22年(1889年)、 夏目漱石 は一高1年生の8月7日から30日にかけて学友4人と房総を旅している。

 誕生寺は、房の小湊に在り。法華の宗祖日蓮此処に生まる。

『木屑録』

 ちょうどそこに誕生寺という寺がありました。日蓮の生れた村だから誕生寺とでも名を付けたものでしょう、立派な伽藍でした。

 Kは昨日自分の方から話しかけた日蓮の事について、私が取り合わなかったのを、快く思っていなかったのです。精神的に向上心がないものは馬鹿だといって、何だか私をさも軽薄もののようにやり込めるのです。

『こころ』(下 先生と遺書30)

仁王門近景


仁王門を入ると右に鐘楼がある。


 明治24年(1891年)3月29日、 正岡子規 は誕生寺を訪れた。

菅笠の影は仏に似たりけり

「かくれみの」

 明治39年(1906年)8月14日、河東碧梧桐は誕生寺に参詣した。

 午前清澄山に上り、午後誕生寺に詣った。一里二十余町の山の上にあって、千年近くの歴史を有する千光山清澄寺の本堂その他が何となく俗味を脱しないで、一路傍にある僅か二百年足らずの建立になる誕生寺の風物が、如何にも物寂びた雅趣を帯びているのは意外とする処である。


日蓮聖人御幼像


房総の魅力500選

千葉県

 「房総の魅力500選」は、昭和58年に千葉県の人口が500万人に達したのを記念し、魅力あるふるさとづくりの一環として昭和63年1月に選定されたものです。

日蓮聖人と誕生寺

 日蓮聖人貞応元年(1222年)に、この地で生まれ、法華経を説き、苦難の一生を貫き、今日、日蓮宗外お題目を唱える各宗派教団の基礎を開きました。

 誕生寺は、健治2年(1276年)、弟子の寂日房日家上人が日蓮聖人の生家跡に寺を建立。その後、2度の大地震、大津波などの天災にあい、現在の地に移りました、年中行事の主なものとしては、2月16日の宗祖御降誕会、8月10日の流灯会、11月12日の宗祖お会式があります。

誕生寺祖師堂


祖師堂の奥に本堂があったのだが、気付かなかった。

 昭和9年(1934年)2月17日、 与謝野晶子 は鯛の浦を訪れている。

うすいろの牡丹めきたり鯛むれて安房の御法の海に遊べば

いとおほく人を人とも疑はで鯛の寄りくる日蓮の安房

「いぬあじさゐ」

小林一茶が誕生寺を詠んだ句がある。

水仙の花の御湊誕生寺

『七番日記』(文化9年6月[文化10年9月10月])

一茶が誕生寺を訪れたかどうか、分からない。

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