このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
私の旅日記
天草キリシタン館〜北原白秋の詩碑〜
ただひめよ | |
北原白秋 | |
曰(い)いけるは、 | |
あな、わが少女(をとめ)、 | |
天艸の蜜の乙女よ。 | |
汝(な)が髪は烏(からす)の如く、 | |
汝が唇(くち)は木(こ)の實の紅(あけ)に没藥(もつやく)の汁(しゆ)滴(したた)らす。 | |
我が鳩よ、我が友よ、いざともに擁(いだ)かまし。 | |
薫(くゆり)濃き葡萄の酒は | |
玻璃(ぎやまん)の壷に盛るべく、 | |
もたらしし麝香の臍(ほぞ)は | |
汝(な)が肌の百合に染めてむ。 | |
よし、さあれ、汝(な)が父に、 | |
よし、さあれ、汝(な)が母に、 | |
ただ秘めよ、ただ守れ、齋(いつ)き死ぬまで、 | |
虐(しひたげ)の罪の鞭(しもと)はさもあらばあれ、 | |
ああただ秘めよ、御くるすの愛の徴(しるし)を。 |
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