このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

私の旅日記2015年

西厳殿寺〜芭蕉の句碑〜
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 阿蘇市黒川の県道111号阿蘇吉田線(阿蘇パノラマライン)沿いに 西厳殿寺 (HP)という寺がある。


西厳殿寺山門


天台宗 の寺である。

 比叡山延暦寺の末寺である西厳殿寺の起こりは、開祖最栄が火口の西の巌殿に十一面観音菩薩像を刻み安置したのが始まりと伝えられています。

 明治4年(1871年)に、山上の旧堂がここ坊中(阿蘇市黒川)へ移されました。

 寺宝としては後奈良天皇の御宸筆をはじめ、国、県・市の指定文化財を多数所蔵しています。

山門南側の石段に芭蕉の句碑があった。


酒のめばいとゞ寝られぬ夜の雪

出典は俳諧勧進牒』 。「深川雪夜」と前書きがある。

『泊船集』 に「深川夜雪」と前書きがある。

『蕉翁句集』 は「貞享三丑(ママ)ノとし」とする。

閑居ノ箴

 あら物ぐさの翁や。日比は人のとひ来るもうるさく、人にもまみえじ、人をも招かじと、あまたゝび心にちかふなれど、月の夜、雪のあしたのみ、友の慕はるゝもわりなしや。物をもいはず、ひとり酒のみて、心にとひ心にかたる。庵の戸おしあけて、雪をながめ、又は盃をとりて、筆をそめ筆をすつ。あら物ぐるほしの翁や。

   酒のめばいとゞ寐られぬ夜の雪

『本朝文鑑』

この句は貞享3年深川の芭蕉庵で詠まれた句。建立年代は不詳だが周囲の祠に天保15年の刻年があり同じ年代に建立されたと推定される。

中小路門


元来西巖殿寺へは行者通りから中小路通りに入り中小路門から参拝していた。 阿蘇山へ登る道も中小路通りから西巖殿寺の下の横道を通り登っていた。

夏目漱石 の二百十日にも

「何でも突き当たりに寺の石段が見えるから、門を這入らずに左に廻れと教えたぜ」「饂飩屋の爺さんがか」と碌さんはしきりに胸を撫で廻す。

「石段は見えるが、あれが寺かなあ、本堂も何もないぜ」

と描写がされている。

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