このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
私の旅日記
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2008年
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初島
〜イルドバカンス2世号〜
JR東海道線熱海駅から熱海港へ。
熱海港から「イルドバカンス2世号」で初島に向かう。
カモメがついてくる。
カモメは11月中旬から3月中旬までシベリアからやってくるそうだ。
カモメが渡り鳥だとは、知らなかった。
初島に近付く。
初島港の「イルドバカンス2世号」
林芙美子の歌碑があった。
初島はうず潮こえてただこもる今宵見る眼の男の月夜女の月夜
林芙美子
の小説『うず潮』は初島港から熱海の夜景を眺めるシーンで締めくくられているそうだ。
私は読んでないから、分からない。
実朝
の歌碑もあった。
実朝の歌碑
箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ
「沖の小島」が初島というわけではないと思う。
大正10年(1921年)1月6日、
与謝野晶子
は初島に渡った。
十時に船が出ました。船宿から座蒲團を持つて來なかつたので、帆を二つに折つて敷いた上へ坐りました。船頭は若い逞しい人達ばかりが六人選ばれて居ます。 四梃櫓を掛けて、二人が疲れた者と交代するのです。 海の上はそよとの風も無く、日光を船一杯に受けて温かでした。「えい、おい、えい、おい」と云ふ勇ましい船頭達の掛聲、「ぐい、ぐい」と云ふ櫓の音。船は半跳るやうに、半滑るやうにして快く進みました。 海は一面に深い紺碧を湛へて靜まり、私達の船の航跡だけが長く二條の錫を流して居ました。熱海の街が少しく煙り、網代の街の屋根瓦が光らなくなつた頃、船は航程の半分を越えたのだと船頭が云ひました。其頃から舳先に當る初島は藍鼠色より萌葱
(もえぎ)
色に近くなりました。私達の心は廣重の圖中にある旅客の氣分と、お伽噺や探險談の中にある傳説的な氣分とが絡んで浮世ばなれのした一種の快感を覺えるのでした。
「初島紀行」
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