このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

栃木県栗山村 八汐大橋周辺 廃道

 

2006年現在は日光市に吸収されて正式には日光市なのですが、分かり易いように栗山村と言います。川治温泉付近のR121からの栗山村行きの道が分岐しているのですが、栗山村へ行く途中に八汐湖と八汐大橋と言うのがあり、その周辺にある廃道を紹介します。赤丸が八汐大橋です。

 

これは八汐大橋から北へ、八汐湖を眺める方向なのですが

 

視線を下に移すとこんな物が。

 

同じ地点からこんな橋も見えます。綺麗な橋で、車で流したら気持ちよさそう。橋が山に突っ込んで行っているのですが、写真だと分かりずらいですけどトンネルが見えます。山岳地帯だと道を通すにも、橋かけたりトンネル作ったりで金かかりますね。、

 

さて、まずはここ。どうやらトンネルがあるようなのですが、地形図ですらただの実線なので、怪しさ爆発。見に行ってみますと・・・

 

こんな様子

 

近づいて撮影。明かりの類が一切ありません。

 

そんなトンネルには似つかわしくない立派なトンネルの標版。「横峰トンネル」、「1980年11月」、「延長160.580m」、「巾2.0m」、「高さ2.5m」と書いてあります。

 

どうせなので反対側まで歩いて行ってみます。

 

フラッシュ炊かないとこんな感じです。人に優しくないトンネルですね・・・

 

と、思った物の壁を見たらこんな物が。ご覧のように完全に壊れているので、昔は人に優しかったみたいです

 

で、↑はトンネルを抜けてすぐに撮影。これだけ見ると歩道としか思えないような道なんですが、ところがどっこい次の写真

 

歩道にカーブミラーはいらないですもんねぇ。 ってぇ事はこの道、元は車道だった可能性がある訳で。さらに考えると、上載したトンネル入り口の写真だと黄色い欄干で車はシャットアウトなんですから、車は入れません。トンネルの建設された年月が1980年11月ですから、これを書いている2006年7月まででも建設されてから25年。たった25年の間に廃道にされてしまった車道って一体・・・。

 

続いてはこちら。赤丸の部分、↑だと分かりずらいんですがトンネルが表記されてまして、そこに行ってみる事に。

 

進入はここから。田茂沢トンネル(記載してある地図で言うと、下部中央に書いてあるトンネルです)と八汐大橋の接合部分にここがあります。

 

進入してすぐに撮影。入り口の所に「関係車両以外通行止」と書いてあったので、関係車両を通す関係でしょうか、路面はかなり滑らかなアスファルトで快適です。

 

適当にチャリを流していると早くも到着。

 

さらに接近して撮影。

 

標版があったので撮影。「石焼トンネル」、「昭和55年3月」、「延長84m」、「巾4m」、「高さ4m」と書いてあります。この規模だと間違いなく車道用ですね。

 

内部の様子。崩落しそうな所もなく、路面はコンクリでいびつな所もなく滑らか。あえて言えばフツーのトンネル。車が来ても問題ないぐらい、何も起きていないトンネルです。これも昭和55年3月製ですから完成してから26年。これだけ立派なトンネルを作ったんですから、作った当初はこんなに早く捨てる予定は無かったでしょう。一体どうしちゃったんでしょうね・・・

 

とまぁ、元は車道だっただろうに、今では廃道となっているトンネルを二本掲載しましたが、特に二本目はその規格と現在の状態から、廃道には似つかわしくないトンネルと言う、廃道巡りでは逆になかなか出会えないものに遭遇した訳で。

今までこのHPでも掲載してきたとおり、廃道ったらガレててボロボロで石がゴロゴロしててチャリがまともに漕げないとか、そう言うクタクタになってるのが通常の廃道なんですが、しかし・・・、これから掲載して行く廃道、まさに掟破りのニューフェイス、って言う廃道に出会っちゃった訳で。

管理人も色々と廃道系のサイトを巡ったりしているのですが、これはそうそう見かけない代物。それが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ。この橋を見て、「あっ、廃道がある」なんて思えますか?

 

八汐大橋を栗山村方面へ行くとこんな看板があります。「船着場」と書いてあるのですが、その矢印が指す方向を見ると・・・

 

これもんです。八汐大橋から見えたあの橋を見て、こうなっていると思える人がいたら逆に凄いと思うんですけどね・・・。管理人はフツーにフツーの道だんべと思い、フツーに車を走らせて目だけ向けたらこれもんだったんで、速効Uターンで再確認。紛れもなくチェーンが貼ってあり、車での進入は不可能。八汐大橋から見えた橋の光景と、このチェーン。そこいら辺のしょっぺぇ廃道じゃねぇ。アッチィ予感がプンプンするぜ!!って事で突撃〜

 

地図で説明すると、こんな方向へ向かっています

 

チェーンを越えてすぐを撮影。脇に草が生えている程度で、路面は滑らか。

 

しばらく道を登って行くと、八汐大橋から見えた橋に到着。

 

橋その物は↑のように錆びも特になく、かなり綺麗。道もひび割れもなく、ガードレールも至って綺麗。廃道ですって言わなければ、現道のような様相。そして、この橋を越えると・・・

 

こっ・・・、これは・・・・

 

小峠トンネル。「1982年 3月」、「延長 532.85m」、「巾5.5m」、「高さ4.0m」。

 

延長 532.85mの内部を撮影。一直線なので出口は見えますが、はるか向こうですね・・・

 

巾5.5mって数値だけでも何なので、チャリを横にして撮影。5.5mって言うと普通車がだいたい幅が1.5mなので、対向は余裕で出来る規模です。

 

トンネル内部に侵入。ってもチャリを横において撮影してから内部に入るまで、結構気合がいりました。だって、怖えぇし(w。建設されてから年数もさほど経ってないので、まぁ、、、問題はないだろうけど、狭い所に入って行くのとは別に大きすぎて吸い込まれるような感じと言うか。だからって引き下がる訳にもいかないですからね・・・。ちなみにこの写真、これでもフラッシュを炊いて撮影しています。大きいトンネルなので、フラッシュの光が拡散してしまい、こんな風に写ってしまいます。

 

路面はコンクリート。割れも特になく、チャリに跨って漕げばかなり快適に走らせる事が出来ますが、そうするとライトが使えないので真っ暗。さすがに真っ暗で何も見えないのはキツイので、歩いて進んで行きます。

 

天井の様子。天井は特に崩落しそうな所もなく、安定しているみたいです

 

お約束のフラッシュ無し撮影。出口が結構明るく見えますが、車道クラスのトンネルの出口だからであって、距離はまだまだあります。

 

ちなみに穴ぐらのお供、SF-307の光量はこんな感じ。この光量だから頼もしい限り。

 

しばらく歩くとこんなのが。天井に設置されてあったであろう蛍光灯が、力なく垂れ下がっています。廃トンネルらしくないトンネルの、廃トンネルである証みたいなもんでしょうか。

 

蛍光灯がぶら下がってる地点からさらに進むと、壁際から水が溢れ出ていました。トンネルに入る前から、トンネルの中からジャバジャバと水が流れる音がかなり大きく聞こえてた(このせいもあって、トンネルに入るのを少しためらったりもしてました)ので、何だろうと思っていたらこれでした。恐らく水圧に押されて壁面が剥がれ、こんな風になってしまったのでしょう。穴を注視すると、壁面の向こうの岩肌が見えます。ここから先、他にも数ヶ所、こんな風に壁面を壊して水が内部に溢れ出ている所があったので、万が一には崩落って言う自体もあるかも知れません。

 

って事で、脱出・・・。532.85mは長いよ・・・

 

トンネルを脱出した以降も、道は廃道と言う形ではなく、現道と言えば通じてしまうような状態で続いていますが

 

所々こんな風に、保守されていない様を出して、廃道チックな所も見せたりしています。そして・・・

 

またもや・・・

 

トンネルがあります。

 

明神トンネル。「1982年 1月」、「延長 125.2m」、「幅4m」、「高さ4m」。

 

こちらも小峠トンネル同様、現道のような状態で残っています。ただ延長は短いので、出口の明かりがもう見えています。

 

トンネルを抜けてさらに進みます。↑も現道と言って差し障りないような様相

 

この地点、「この間、施工しました〜」みたいな勢いのアスファルトは何なんだろう・・・。チェーンで一般車を封じ、小峠トンネルは蛍光灯の脱落と、水圧による若干の崩壊があるのに、ここに来て改めて路面を新しくする意味って何なんでしょうね・・・

 

そして辿り着いた終着地点。いつまでも現道のような様相を続けた道が突然、終わりを迎えています。終端はロータリーのようになっていて、簡単にUターンが出来るようになっています。

 

そこに捨てられてたゴミを撮影。だいたい山道となると不法投棄があるもんですが、このゴミを見てみるに朽ち具合がそんなでもないので、ここが封鎖されたのはそんなに昔ではないのかも知れません。

 

さて、、、改めてこの廃道がどういう道筋なのか、地図で確かめると・・・

こんな感じです。下の赤丸がスタートで、上の赤丸が終端です。終端の周りは山林で何もありません。最初からこの終端がこの道の目的で作ったとは思えないので、どこかへ繋ぐ為の道だったのではないかと思います。しかしその夢は敗れ、今では好き物が通るか、あのチェーンを外せる関係者しか通れなくなってしまった道と500mを越すトンネル。

500mを掘るほど気合の入った道が、たかだか二十数年で廃道になった理由ってのは何なのか。調べれば理由は分かるでしょうが、このトンネルを掘った人達にゃそんな事はどうでもいでしょう。とにかく、500mも掘った代償が二十数年のうちに廃道ですから。いったい何のために掘ったのか。二十数年のうちに廃道にするために掘った訳じゃなでしょうから・・・。まぁ、、、なんつうか、シュールな終わり方ですが、この辺で。廃道フリークにゃとことんアッチィが、トンネルを掘るって言ったら命掛けですから、その道が二十数年で廃道になるっつうとねぇ。若くして死んじまったみたいな感じだね、ホント。

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