このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

足尾探索第七弾 本口坑 鷹ノ巣坑 プレリサーチ

 

久しぶりの足尾銅山その物の探索です。なぜこんなに期間が空いてしまったかと言うと、夏場は薮が生い茂っちゃって見渡しが効かないからです。なので、草が枯れる冬を待って再び、本格始動と言う事で。

で、今回は表題の通り、本口坑と鷹ノ巣坑の今がどうなっているかを見るための、前偵察です。足尾銅山で有名な通洞坑、小滝坑、本山坑と違い、この二つはマイナーな部類に入るため、その状況は全く定かではありません。場所も某資料で大雑把な位置しか掴めず、現地にてまず足掛かりを掴まないとどうしようもない状態なので、しっかりと状況を見ておこうと言うのが今回です。

それではさっそく・・・ の前に。

ブログ で予告した通り、 足尾探索第四弾 で登場した某侵入口。ここを改めてまともなカメラで撮影してきましたので、それを最初に公開いたします。

 

改めてその入り口を撮影。場所は前回同様公言しません。そして、この侵入口から中に入ると・・・

 

ご覧のように崩落しています。ここを乗り越えて先にも行けるんですがちと狭いんで、ここから入らずに、高巻きで回り込んで崩落の向こう側に行きます。

 

崩落を高巻き回り込みで越えると、ご覧のように中へと穴が続いています。

 

スタート点で真正面に立ち、穴の先を撮影。序盤はこのようにコンクリートで施工されています。ちなみに・・・

 

フラッシュ焚かないで撮影するとこんなんです。

 

コンクリート施工区間が終わると、こんな感じになります。足元はコンクリなんですが、側面は手掘りになっています。あと、コンクリート区間は多少かがむ位で通れるんですが、この辺までくると足元に岩も落ちてるのと、前回も書いた通り何かを捨てるが為のような傾斜をしているので立っていられません。ほとんど四つんばいで登らざるを得ない状態になってきます。

 

さらに進んだ所です。ここまで来ると足元が岩だらけで進むのが非常に困難になってきます。撮影するにも足元不安定+鬼傾斜+真っ暗なのでピントの合わせが難しくて一苦労。極近くにある岩にフラッシュが反射してしまって見づらい写真ですが、岩を避けて撮影するのがかなり難しいほど、岩がひしめきあっているのでどうしようもなく。

 

岩だらけになった地点から、入り口を振り返って撮影。ここは入り口から大よそ100mぐらいの地点かと思われます。縮小写真だと分からないかと思いますが、カマドウマ(便所コオロギ)が岩肌にひしめきあっています。ここに限らず穴ぐらにはライトの光が当たらない所に虫がウジャウジャいたりするので、虫嫌いの人は穴ぐら侵入はやめといた方がいいですね・・・。かく言う自分も、好きではないですが・・・

 

この坑道の写真はこんな所で。今回は本口坑と鷹ノ巣坑の状況を見る事がメインなので、この坑道は別日に改めてさらに深く入ってみたいと思います。

と言うか、装備的にこれ以上の侵入は厳しかったって言うのが本音かな・・・。鬼傾斜なので立っていられません。四肢をフルに使わないと登る事が困難な状況で、いま持っているハンディライトなのでどうしても片手が塞がってしまいます。そこでこの坑道をこれ以上先に行くとするなれば、ヘッドライトが必需品のようです。そうすれば、四肢をフル活用出来るのでこの先の岩場もそれなりに越せるかと思われます。

と言う事で、ヘッドライトを準備次第、再びここに潜ってみたいと思います。

 

では、今回のメインテーマ、本口坑と鷹ノ巣坑の状態を確認しに行った模様を掲載します。

これは出掛ける前に資料を見て考えた、坑口がこの辺にあるだろう予想図です。赤丸が本口坑で青丸が鷹ノ巣坑です。図書館から借りた資料に載っていた地図の記憶を頼りに(図書館だから本返さなくちゃいけないからね。コピーするのも忘れてたし・・・)大まかな場所を決め、その周辺をリサーチして見ます。

それではまず、本口坑から行ってみたいと思います。

 

これは本口坑があるだろう場所に沿っている、本口沢の模様です。砂防ダム建設中で、その為の作業道が綺麗に整備されています。

 

その道中にあったちっちゃな祠。最近供えられたであろう、瓶の酒が供えてあります。

 

作業道をさらに登ると最終的に工事現場に辿り着きます。ここまでの道中で怪しい部分はなし。

 

工事現場を抜け、本口沢の上流方面を撮影。沢なんですが水は流れておらず、石が沢一面に転がっています。

 

工事現場からさらに上流へ登ると、こんな物が。明らかに人工構造物。しかも坑道入り口っぽいような穴も見える何かアルーーって事でダッシュで向かう。

 

うーん・・・。どうやらこれは坑道じゃないね。この構造物の向こう側が山じゃなくて谷だから、これは年代物の砂防ダムの予感。坑道じゃなかったのが残念だけど、こんな形の砂防ダムを見るのも初めですね。何つうかその、「とりあえず堰き止めとけばいいか」チックなコンクリの壁と穴のみの砂防ダム。雨が降ったら速攻で石が流れてくるような場所ですから、ぶっちゃけ仕事でないと作れなかったんでしょうね。

っても、壁と穴だけって言う単純な作りだけど、頑丈さはあるみたいですね。ダムの上辺一杯までの土石を堰き止めているのに、崩壊しそうな様子がありませんからね。

 

この年代物の砂防ダムから本口沢方面を撮影。この砂防ダムは本口沢の支沢で、そこそこ高い場所にあります。

 

本口沢本流に戻ってさらに上流へ登った所にあった人口構造物。木造なんで、治水関係の物ではなく、他の何かのための物ではないかと思われます。恐らく、銅山関係の物だと思うんですが、詳細は分からず・・・。

 

木造人工構造物があった地点からさらに上流を撮影。逆行で見づらくて申し訳なく。パッと見た印象では、この先行っても何にも無さそうな感じがしたので撤収。今回はあくまでプレリサーチなんで、本番の時のためのルートを選んでおくのと、坑口へのとっかかりを掴むのが前提ですからね。っても・・・、この地点でそこそこ登って来ているんだけど本口坑の取っ掛かりは0。今までの経験上、坑道はそんな標高の高い所に無く、意外と低い所にあるので、これ以上先は可能性薄いと思うけど・・・。これはもう一回資料を見て、改めて坑口の場所を確認しないとダメっぽい・・・。

 

ここでいったん本口沢を離れ、改めて鷹ノ巣坑のプレリサーチに入る。まずはこちらをご覧下さい。

 

これは車道上に立っている案内板です。この対岸に鷹ノ巣坑があると言う事で、ここをGPSに記憶し、家に帰ったら改めて鷹ノ巣坑の位置を割り出そうと言う塩梅なのですが、さて、それではその対岸がどうなっているのかをご覧頂きますと・・・

 

ちょうど写真のど真ん中辺りにあるはずなんですが、よく見えない+強烈な山間なので、一筋縄どころか侵入して行けるのかどうかも微妙な所。ちなみに・・・

 

立て看板直下も結構傾斜があり、ここから直接向かうのも無理じゃないけどちょっと厳しい様相。そこで考え出したのが↓の方法。

 

足尾銅山最高峰の備前楯山。そこに至る登山道があるのですが、それが地図上で点線として描かれています。今回はそれを利用し、登山道中盤までに存在する比較的等高線の間隔が長い部分、これを使って青い矢印の様に行けそうかどうか、確認しに行ってみました。

 

備前楯山登山道に入り、少し登った所で登山道入り口方面を撮影。駐車場が巨大なので、車も難なく止められます。

 

さらに頂上方面へ向かいます。道中は↑の通り、笹薮のの中を登山道が抜けて行きます。

 

そしてここが、上記した登山道中盤付近。青い矢印の様に向かう事が前提なんですが、比較的傾斜も緩く、十分可能の様相です。ここからGPSで車道にある鷹ノ巣坑看板の位置を確認しながら、降りていく、と。

 

ある程度行程の偵察を終えたので、せっかくなのでこの後、備前楯山の頂上に行ってみる事にする。その模様は別ページに改めて紹介するとして、今回のプレリサーチで編み出した予定を全体図で表しますと・・・

 

赤線が本口坑に関わる事です。まず赤い縦長の丸の部分、ここは石だらけで坑口がありそうな状況でありません。次に赤のちっちゃい丸の部分。ここはプレリサーチで発見した年代物の砂防ダムのある場所です。その砂防ダム地点より図で言うと、右の方に赤い線があると思うのですが、今回のプレリサーチではそこが最終到達点です。次回はそれよりも先に行ってみようと思います。

次に青い線が鷹ノ巣坑に関する予定行程です。図の真ん中上にちっちゃい青丸があると思いますがここが、車道上に鷹ノ巣坑の看板が設置してある所です。看板は190度の方向を向いているのでその方向に、鷹ノ巣坑があると言う前提でそちらに向かいます。向かうに当たっての方法は二通り。まず、看板からゴリ押しで出川に出て、直接向かう方法と今回、プレリサーチで考えた登山道から侵入して行く方法です。地図計測で看板から大よそ直線距離で300〜400m付近に山間があり、そこに鷹ノ巣坑があると思われるので、接近可能などちらかの方法で行ってみたいと思います。

 

次回、足尾探索第八弾。本口坑、鷹ノ巣坑探索本番。足尾銅山メイン坑道の中でもマイナーのこの二つがどうなっているのか。そもそも辿り着けるのか否か。発見できたらネット公表初だろうから、気合入れていくぞ〜

 

探索日

2005/11/20

探索時間

10:00〜15:30

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