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国道418号線 黒瀬街道
岐阜県恵那市〜八百津町
2006・5・5来訪
   

知る人ぞ知る、超有名「酷道」418号線。
知らない方の為に説明させて頂くが、
国道418号線は長野県飯田市(旧南信濃村)を起点、岐阜県本巣市(旧根尾村)を終点する道である。
その道程の中間地点あたりに「黒瀬街道」と呼ばれる区間がある。
木曽川沿いに笠置ダム・丸山ダムの二つのダムの間を走るのだが、はっきり言ってマトモじゃない道である
特にバイパス・新道が出来たわけじゃない(現在、建設中だが)のに廃道化してしまっているのである。
つまるところ、現役国道でありながら廃道といった困った道なのである。
強いて鉄道に例えていうなら「西武安比奈線」「水根線」(限りなく廃線に近い休止線)のような国道である。

そんなマニアックな「酷道」を走破しようとする変人が後を絶たない。
平成18年5月4日、この酷道418号線を走りたいが為にわざわざ千葉からやってきたバカモノがいた。

何でもない行き先までの距離を表示した青看板。
が、一つだけこの青看板は「ウソ」を表示している。
『八百津 41km』

行けません。
少なくともこの国道を使っては行けません。
途中分岐する県道で大きく迂回しなければ八百津町へは行けない。

この「八百津 41km」を正しく使う人間は、非常に正しくナイ走行しなければならない。
(ちなみに八百津側ではちゃんと恵那市へは「県道で迂回」と表記されている)
ついに来た。
WEBでは幾度となく見たこの武並橋。
あの悪夢のような道の入り口であるこの橋が今、自分の目の前にある。
そして、その下を流れる木曽川は深い緑色で、とても不気味だった。
ちょっと見づらいとは思うが、「八百津」と表記された矢印には何のマークも付いていない。
一方、R418のマークが表記されている方はすんどまりの線で挙句の果てには×マークすら表記されている。
国土交通省から完全に見放された国道。
大型車通行止めとの事。
つーか、大型車どころか一般車も限りなくムリっぽいがな。
道路規制板には何も警告は記載されてない。
ただし、ダムまでの規制が無いだけで、その先は規制云々とかそういう問題では無いってことだ。
しばらく長閑な集落の中を走る。
車線も2車線分あり、とても快適な道。
やがて車線は一車線に。
十分に「酷道」らしさを感じられるが、まだここは序章ですらない。
とうとう笠置ダムまで来た。
この道が現実に利用されているのはここまで。
ダムの管理事務所の横を通り過ぎると・・・。
ここより、黒瀬街道の本番が始まります。
てか「落石注意」って・・・。
注意も何も本来「通行止め」なんちゃう?
もう国交省も「変人さん」達を黙認ですか。
放置プレー全開の路面。
舗装路が落葉やら植物やらに埋め尽くされようとしている。
が、それでも二輪車分の路面が残っているのは、それだけ「変人ライダー」が訪れるってことですか?
しかし、夏場はどうなっているか分らないが。

遠くを見ると、山の斜面に一筋の線のように道がへばり付いている。
取りあえず序盤は路面をそれなりに安定しているのだが、・・・。
うわァ〜、やっぱあったか!
すでにこの崩落はWEBにて確認していたが、
もしかしたら修復されているかも・・・、と淡い期待をしていた。
が、当然の如く廃道にそんな予算が投入されるはずもなく崩落は存在していた。

うへ〜、どうすっぺ。
崩落を目の前に立ちずさんでいると・・・。


人が現れました。
それはもう、崩落の向こうからひょこっと。
少々驚いたが、何せマニアには有名所。
大方、同業者だろう。
最初、オフバイクで来ているか思ったが、服装はまったくの普段着って感じでライダーっぽくない。
チャリかな?
とりあえず、八百津側から走破しているのだろうから、ちょっと先の状況を聞いてみよう。

「すいませーん」
「はーぃ。」
何やら瓦礫の上で作業している彼のそばに寄っていった。
「この先、どんな感じっスかねー。」
「いやー、ガタガタだねぇ。」
尾張訛りがあり、恐らく地元、もしくは近場の人間だろう。
瓦礫の上に自分も登り彼の隣まで来た時、僕は信じられないモノを見た。



車やんっ!

「くっ、車っすか!」
「うーん、車できちゃったねぇ。」

車種は当然ジムニーな訳だが、まさか四輪突破不可とも言われる黒瀬街道にて車を拝むとは!
彼は車の周りで作業している相方と何となく黒瀬街道に入り込んでしまい、
やがて道路状況が悪化してきて不安になったモノの
結構奥まで入ってしまったので反対に戻る方がしんどくなってしまいここまで来てしまったらしい。
この先には、激しい崩落はなく四輪でも何とか突破できたそうだ。
しかし、路面はドロドロヌタヌタ、又はガレガレ、藪々。
午後一時過ぎにアタック開始して、現在3時半。
2時間半をかけた訳だ。

どうやら崩落突破の準備が出来たらしく彼は車に乗り込んだ。
自分も瓦礫を離れ、固唾を呑んで見守る。

山間にエンジン音が唸る!
瓦礫が激しく崩れる音が聞こえる。
やがて、フロント部分が瓦礫の向こうからせり上がってきた。
よたつきながらも車体全体が乗りあがり、やがて崩れ落ちる様になりながらも無事突破!
すげー!感動した!
やってやれない事は無いってこの事だな。

やがて、ジムニーは自分に近づき、
「んじゃー、お気をつけてー。」
と彼はそう残し通り過ぎていった。

四輪が行けて二輪が行けない事はない。
ジムニー乗りに勇気付けられ自分も崩落に挑む。

崩落に向かい助走をつけて走る。
瓦礫に乗り上げスピードが落ちたらギアを落とし一速を使い瓦礫の上へ。
そして下りは慎重にバランスを取りつつ、速やかに下りる。
途中やはり崩れ落ちるようになったがなんとか突破する事ができた。

よーし、進むぞ。
で、2,3km進んだ所。
恐らくこの画像だけをみせて
「国道を走ってます」
って言っても誰も信用しないだろう。

時間はもう4時を過ぎてる。
道程はまだ10km近くあり、先ほどジムニーの彼はが2時間半をかけたと言っている。
2時間半後は午後六時半。
もう暗くなりかけている頃だ。
さすがにこの時間に廃道を挑むのは危険ではないか?

しかし、こいつに挑むためわざわざ岐阜に来たのだ。
このまま、おめおめと千葉に帰るわけには行かない。

予定を変更しよう。

本来、このR418を抜けてR157に向かい温見峠を越え翌日には日本海にでる予定だった。
しかし、ここまで来る途中時間がかかってしまい、この時間になってしまった。
てかこの日、静岡市からここまで来てる事自体、結構な強行軍だった訳だが。

で、当初の日本海に出る予定を変え、温見峠を越えたらとんぼ返りで岐阜に戻り
再度、黒瀬街道アタックに挑む事にした。

よーし、決戦は明日だ!

黒瀬街道よ、そこで待っとれよ!

次回に続く

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