このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
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『落ちたら死ぬ』の看板で有名な酷道峠。
しかし、自分が訪れた際は『落ちたら死ぬ』とかそれ以前の状況であった。
つーか、冬季通行止めを無視しちゃいけません。
道の駅『うすずみ桜の里・ねお』入口です。 この前日、私ココで野宿してました。 売店横のベンチの下で寝袋広げて眠る怪しげな男。 実は私、『テントを持たずに野宿をする』というのをポリシーにしてまして、道の駅・公園・屋根のあるバス停・無人駅等に夜な夜なやってきては野宿をし、早朝に何事も無かったように去っていく、といった事をやっています。 別にテントを買う金が勿体無い、とかそんなケチ臭い理由ではありません。 たぶん。 ともかく、この日はここをスタート地点として温見峠を目指します。 | |
小学校だろうか? 木の温もりがする優しげな校舎。 おそらく、全校生徒が数十人程度で、みーんな生まれた時からの知り合いなんだろうな〜。 | |
集落を抜け徐々に山深い景色となってくる。 国道157号線はひたすらこの画像の川『根尾西谷川』に沿って峠を登っていく。 | |
この画像の後にたしか第一ゲートがあったと思われる。 実は『落石により通行止』との事でゲートは封鎖されていた。 でも、何故か先に進めちゃいました。 なんでだろうな〜? ちなみに本来ならばここに『落ちたら死ぬ』の看板があるはずなのだが、今回は見受けられなかった。 | |
崖っぷちを走る狭道。 されどガードレールは無し。 まさに酷道の代名詞、R157温見峠らしい光景だ。 | |
谷間の向こうに行く先の道筋が。 うーん、偉いトコ走ってるな〜。 | |
道中に見つけた祠。 コンクリの土台に新しめの石像。 どうやらここで事故か何かあったらしい。 現在走っている能郷〜黒津間は『倉見七里』と呼ばれ、難所続きの温見峠の中でも最も険しい区間である。 ちょっと気を抜けば簡単に命を落としてしまうような事故に直結する。 『落ちたら死ぬ』の看板は伊達でもシャレでも無く事実を語っているのである。。 二度と悲劇が起こらぬよう旅人たちの安全を小さな地蔵が見守り続けている。 | |
落石ガードを潜る。 その上の斜面は大崩落でも起こしたのか絶壁となっている。 | |
少しづつ標高を上げてくると日陰部分に残雪が目に付くようになってきた。 気温はたぶん10℃台前半。 少々肌寒い。 五月上旬。 まだ山には春は訪れてはいなかった。 この後、その事を思い知らされる。 | |
まさに断崖絶壁。 その横をへばりつくように通る『酷道』。 ここでは『落ちたら死ぬ』だけでなく『落ちてきても死ぬ』場所である。 | |
谷間の底にあった川もだいぶ標高を上げてきて、この砂防ダムの所では道との高低差は殆ど無い。 ずっと人気の無い山中を延々走り続け、久々に現れた人工物にちょっと安心感を得た。 ダムを流れ落ちる水流は美しく、また涼しげな音が谷間に響きそれもまた心地よい。 ここをちょっと過ぎた辺りで、ドラム缶状のプラスチックボトルによって道が封鎖されていた。 ここも難なく突破(非推奨行為)。 | |
砂防ダムによって塞き止められた砂が溜まって巨大な川原が広がっている。 それゆえか、先ほどまでと比べると多少、山深い印象が薄まる。 | |
根尾黒津の集落へ入る。 この集落が見えた時、少々驚いた。 ここ通行止め区間なんじゃないの? なんで人が入っちゃいけない所に集落があるんだ? と思ったのだが、実は樽見の市街地からこの集落へ入る迂回林道があったのだ。 んで、砂防ダム近くにあったゲートは根尾黒津集落からの進入を封鎖するための物だったのだ。 ただ、ここがかなり山奥深い集落である事には変わらず、市街地からR157経由で10km程、迂回林道だと15km以上の距離を走らねばならない。 しかも、どちらを通っても険しい道だ。 | |
集落を過ぎてしばらくすると、突然路面が幅広2車線道になる。 国道なのにガードレールも無い激狭絶壁路ってのもどうかと思うが、山奥の交通量も無い道に立派な道路を造るってのもどうかと思うぞ。 そして1km程進むと再び激狭一車線に戻る。 意味ね〜。 | |
しばらくして再び集落が現れる。 しかし、ここは根尾黒津の時とは違い人気が感じられない。 恐らく場所的には根尾大河原だと思われるのだが、地図にも住所番号がふられていない。 廃集落なのだろうか? ただ建物自体はしっかりしており、農繁期にだけここで寝泊りをして冬季は麓に下りる、という暮らしをしているのかもしれない。 | |
比較的大きめな沢を渡る橋。 この付近でチェーンによる封鎖があった。 ここが最終ゲートである。 この先は冬季通行止め区間である。 五月にも入り、麓では桜がとっくに散っている季節である。 「なんとか先、行けんべ。」 この時、そう思っていた。 わりとここのチェーンゲートは難物であったが、それでも突破できてしまった。 麓の市街地からもう20km以上。 引き返す事は考えていなかった。 | |
きつめのカーブの先にひょっこり佇むおにぎり。 どう考えても国道らしくない国道だが、やっぱりここも国道。 そのおにぎりの後には大量の残雪。 | |
ついに現れた酷道157号線名物、路上河川。 斜面を流れ落ちてきた沢が悠々と国道を横ぎる。 突っ込んでみると、意外と深さがあり、ザバァッ!と水しぶきを上げる。 ほんの一瞬の出来事ではあるが中々スリリング。 半分、これがやりたくてここに来たようなもんだ。 まあ去年(2005年)、さいたま市内で集中豪雨を喰らい 完全に水没した国道16号を進む、という更にスリリングな事をやっているがな。 | |
全く人気の無い狭道を進む。 エンジンを止めてしまえば、川の音以外何も聞こえてこない。 正直言って物凄く寂しい。 本来一人旅を好む気性だが、この時ばかりはかなり人恋しい気分になった。 あたりには冬の空気が漂う。 気温は10℃以下になっているのでは? 更に目指すべき峠は雲に覆い隠され、行く手に不安を感じさせる。 それでも戻る気にはならない。 いや、ここまで来ると戻る方が辛いのだ。 | |
だんだん、道横の残雪も増えてきた。 路面の上にもシャーベット上の雪が覆っておりスリップの危険が高まる。 こんなところへ来た事を後悔し始めてきた。 もしも、ここで事故っても誰も気付いてくれない。 不安が全身を覆う。 でも、歩みを止めようとはしない。 それは好奇心でも勇気でもない。 単なる惰性。 しかし、その惰性もここまでだった。 | |
THE END。 無理です。 少なくともカブでは。 いや、実はちょっと悪足掻きをしてたりする。 雪の上に乗り上げムリヤリ進んでみようとするが、全くタイヤが噛まない。 では、なんとか徒歩で峠まで行けないか? 少し進んでみる。 されど九十九折れの道が視界の外まで続いていて、いかんともしがたい。 この路面の状態では冬山登山をするのと変わらない。 無論そんな所を進む装備なんて一つも持っていない。 ・・・しばらく雪の上でボーゼンとする。 結論。 冬季通行止め区間へ進入しちゃいけません。 バカを見るだけです。 以上。 |
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