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旧海軍用水路の随道
神奈川県愛川町
2005・11・5来訪

大正10年、旧日本海軍が艦船への飲料水確保のために、
愛川町の半原水源地から横須賀港に送る水路を作った。
この愛川の水は「赤道を超えても腐らない」という名水だったそうだ。
現在も横須賀市が管理する現役の水路で、その上の大部分が道路として整備されている。
水源は山間部にあり、水路は山を随道で一直線に貫く。
その随道の一部が歩行者用に開放されているのだが、自分はこれをそばを走る県道の旧道と勘違いしてしまった。
しかも、 こちらの掲示板 にその事を書き込んでしまい、
他の方からツっ込まれて恥をかくと言う醜態をさらしたw。アホやね。
とはいえ、近代の遺産と言う事には違いなく改めて探索してみました。

それはヤビツ峠へいった日の帰りの事でした。
自分はふだん、国道や県道などの街道を走る時、こちらの左の写真のような分岐に出くわすと、取りあえず真っ直ぐ進む事にしています。
このような線形の場合、真っ直ぐ進む道は大体旧道で道路遺構に出会える可能性が高いからです。
そう、ここもそんな事を思い直進しました。
静かな住宅地の合間を走ります。
始めてここを訪れた時はすでに夕暮れで、もう日は山の下に潜っていました。
辺りは暗く、人気もありません。
原付のモーター音だけが響いていました。
やがて、自分は眼前の異変に気付きました。
眼前の山の前に何かある。
そう、奴です。
奴が現れたのです!
出ました!
年代物レンガ随道です!
はっきり言います、夕闇に浮かぶ古随道にビビってしまいました。
その時、通りぬけようなんて思いませんでした。
ヘタレ全開です。
随道の遠景です。
てか、右手に曲がる道は本当に旧道なんじゃないの?
いや、もちろんあてずっぽですよ。
今回は日もあるのでそれ程プレッシャーを感じません。
近代遺構としてじっくり探索します。
随道内で、愛車アプリオを記念撮影。
路面はダートです。
この下に水道管が埋まっているのでしょう。
てかですね、後ろから物音がするんですよ。
カサカサって音が。
何?何の音?
勘弁して、ちょっと怖いんスけど。
怖い、後ろを振り向くのが怖い。
それでも、確認せずにはいられない・・・。
おそる、おそる、後ろをふ・り・む・く・と・・・




おばーさんが随道前を掃除してたとさ。
そんなモンだよねー。
むしろ、おばあさんの方が随道内の怪しい男に怖がってたんじゃないか?
 内部には昔なにかを吊るしていたと思われるフックが錆び付きながら残っていました。
また、トンネル全体がレンガ巻きで恐らく完成当時そのままの姿のまま残っています。
あまり傷みも無く良い状態で残っていますが、レンガの隙間から石灰分のような物が流れ出しているのが気になります。
反対側まで抜けてきました、。
こちらはまるでジャングルです。
日陰のためか、昼でも威圧感が感じられます
随道の夜のお姿です。
ちょっと僕にはキツイです。
不気味さ1.5割り増し。
随道の上には竹林。
樹齢何年なんでしょう?
数十mもある竹が何百、何千と高くそびえています。
水墨画の様な世界がここにはありました。
トンネルから先は小さな路地の様な道が続いています。
やっぱこれ、古道か廃軌道跡に見えるよ〜。
この築堤の上に水路が流れていたのかな?
この小道をちょろっと進むと、お次の随道が現れます。
こちらは完全封鎖されています。
この随道にいたっては前回は30秒ほどで退散です。
だって怖かったんだもん!
 中をのぞくと標柱が立っているのがわかりました。
ちょっと、写真だとぼやけてわかり難いですが
『横須賀市水道局』
と書かれています。
ここから、横須賀市はここから20〜30kmは離れていますが管理は同市で行われているようです。
これを確認してれば、間違えずにすんだのになぁ〜。
さて、古随道から300〜400mほど離れた所にある県道の『愛川トンネル』ですがこちらも元は水路随道だった物で、それを広げて道路トンネルにしたそうです。
さらに県道を進むと中津川を渡る『馬渡橋』に差し掛かります。
この橋は道路と一緒に水路も川を渡ります。
おそらく、随道と一緒に作られた橋と思われ、とても古い作りのトラス橋です。
完全1車線の橋で対向車がいる場合、片方が渡りきるまで待たなければなりません。
しかし、この古橋、とても周りの風景に解けこんでいて絵になります。
県道から山の反対側にバイパスの国道が走っており、交通量はさほど多くありません。
ならば、この橋にはこの姿のまま末永く残ってもらいたいものです。
神奈川の山里にひっそりと海の男達を支えた遺構がありました。

今回は、間違えてないよね?

今回、この記事を書くにあたってこちらのサイトを参考させてもらいました。
なんちゃって田舎暮らし
風に吹かれて
ありがとうございます。

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