このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
マロネ41形 2等寝台車
マロネ(マイネ)41 6 京都 昭和28年10月 奥野利夫氏撮影 |
マロネ(マイネ)41 9 普通急行(銀河) 上記の写真とは反対側 宮原 昭和25年 奥野利夫氏撮影 |
マロネ41 6 大ミハ |
マロネ41形2等寝台車は、昭和25年に製造された国鉄が誇る車両の一つです。 この10月に登場した20系固定編成客車の登場までは、最優等客車の座にありました。 先の昭和30年7月の1等寝台廃止に伴い、設備はそのままで2等寝台に格下げされたいわばお値打ちの車輌です。 国鉄にとって、はじめての全室進行方向向きプルマン形寝台を採用しています。寝台定員はわずかに24名。混雑している3等車にくらべてゆったりと旅行を楽しむことができます。 |
マロネ41平面図
★マロネ41はB2等寝台に分類されます。寝台幅は97㌢、長さは190㌢と国鉄の寝台の中では一番大きなサイズです。 上下段の高さもゆとりがあります。寝台料金は下段が2160円です。 3等寝台の下段が960円ですから、その倍強のお金がかかります。 ★東京〜大阪間を結ぶ(銀河)(彗星)に連結されています。特に (彗星)は、本形式を3両連結しています。 (彗星)の列車編成はこちらを参照願います。 寝台券は乗車の14日前から国鉄主要駅で発売しています。特に夜景が楽しめる下段は1両に12席しかありませんから、早めに予約した方がいいでしょう。 | |
★昭和33年10月に登場した20系固定編成客車と同じく、このマロネ41にも冷房装置が搭載されています。 盛夏でも梅雨時でも一年を通して、窓を開けなくても快適な鉄道の旅を楽しむことができます。 ★この冷房装置は、三菱電機、東洋キャリアの技術陣の苦心によって開発されたもので、車軸からベルトを伝わって発電機をまわす仕組みになっています。登場間もない頃は故障続きでしたが、いまは好調な冷房運転ができるようになっています。 ベルトや発電機などの冷房装置は、車輌の床下に取り付けているので、普通の客車に比べ、床下に機械が満載状態になっています。 | |
★車内を見てみましょう。まず従来の客車と違うのは室内の塗色が薄いウグイス色のペイントで塗りつぶしであることです。 従来のニス塗り客車のイメージを大きく払拭しました。 ★寝台のふとん地はえんじ色のクッションが厚く、さすが元一等寝台車だけのことはあります。 昼間は寝台仕切を座席と座席の間に収納し、見晴らしをよくします。 夜間はこの板を跳ね上げて、船底形と呼ばれるゆりかご状の寝台を天井からおろして寝台を組み立てます。 ★写真は昼間の座席の状態で、寝台仕切を立てたところです。車内のペイントが塗りつぶしなのがよくわかります。 マロネ41 9(マイネ時代)昭和25年8月 奥野利夫氏撮影 ★マロネ41の一つ前に製造されたマロネ40形には蛍光灯が取り付けられましたが、故障が多かったため、本形式では蛍光灯の取り付けは見送られ、再び白熱灯仕様に戻されています。しかし、国鉄では夜間でも明るい蛍光灯の導入を積極的におしすすめており、近い将来本形式の照明も蛍光灯に取り替える予定です。 | |
★マロネ41で特筆すべきは、洗面所とトイレが、婦人用、殿方用と別々に用意されていることです。さらに婦人洗面所は、広さ一畳強の独立した部屋になっています。洗面台の他に大型の鏡と化粧用のイスが用意されています。内装は今流行のタイル張りです。ピンクの小型タイルが貼られています。 ★トイレは男女とも洋式便所になっています。和式便所に慣れた人がほとんどなので、その使用方法が、トイレ内に貼ってあります。 男子トイレの向かいに列車給仕が常駐しているので、使い方が分からなかったら、思い切って訪ねてみるといいでしょう。 |
▲マロネ41の屋根上写真です。ご覧のようなのっぺらぼうの屋根でベンチレーターは一つもありません。 車端に明るいネズミ色で見えるのが空気調和装置です。 車軸の回転からひろった動力で発電機をまわし、ここから車内に冷風を送る準備をします。 そして天井裏のダクトを通して、各寝台に冷風が送られるのです。 |
▲客室の窓は、マロネ40と違い、長さ120㌢の大型窓です。 床下につるした冷房装置も確認できます。 マロネ(マイネ)41 9 宮原 昭和25年 奥野利夫氏撮影 |
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