このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



オロ36形 2等座席車

     オロ36 1 京都 昭和28年1月 奥野利夫氏撮影  
     特ロスロ51と並ロオロ36が並んで連結されています。



オロ36 9 東オク

オロ36形は、昭和13年および14年にかけて38両が製造された2等座席車です。
このころは、戦前の国鉄黄金時代で、旅客需要の伸びとともに、次々に客車が新製され、二重屋根から丸屋根に外観がモデルチェンジするとともに、思い切った広窓を採用した展望車、食堂車が誕生しました。
そんな中一般客車として、はじめて広窓が採用されたのがオロ36です。
戦後は、特急(平和)の2等車として、敗戦から立ち直った国鉄の看板列車として活躍しましたが、昭和25年に自在腰掛を装備する特別2等車スロ60の誕生によって、並ロ(普通2等車)と呼ばれるようになり、第一線は退いたものの、今なお急行列車に連結され活躍中です。


オロ36形平面図


★オロ36は普通2等車扱いのため、乗車には2等普通乗車券と急行列車なら2等急行券で乗車できます。なお2等乗車券は3等乗車券の2倍強、2等急行券も3等急行券2倍強の金額です。
例えば300㎞までの3等急行券は230円に対し、2等急行券は550円になります。

★大阪〜青森間普通急行(日本海)、上野〜青森間(常磐線経由)普通急行(みちのく)(十和田)(北斗)などの2等自由席車に連結されています。
このうち(十和田)は編成にオロ36のほか特別2等車のスロ54、最新鋭の3等寝台車ナハネ10、3等車のナハ10、2等寝台車に二重屋根のマロネフ58が連結され、新旧取り混ぜた編成が興味を引きます。
(十和田)の編成はこちらからどうぞ。


★冷房装置の設置はなく、扇風機が3機設置されています。

★オロ36の特筆すべき点は、客室窓が1300㍉の広窓が採用されていることです。1300㍉のガラスがはめ込んである客車は後にも先にもこのオロ36のみです。このあと製造される客車の窓は、規格を統一する目的から、1200㍉、1000㍉、700㍉のどれかにまとめられました。




★車内を見てみましょう。まず広窓のため車内が大変明るいのが特徴です。壁は木目を生かしたニス塗り、天井はクリーム色で塗られています。

★座席は重厚な向かい合わせのボックスシートです。座席の座面はオハ35形式の505㍉に比べ680㍉、座席と座席の間もオハ35の455㍉に比べ600㍉と非常にゆったりしています。向かいの客と膝がぶつかることもありません。喫茶店のサロンでくつろぐ気分です。

★座席のふとん地は濃緑のモケットです。同じモケットが肘掛けの部分にも貼られています。営業車にはこの部分に白いカバーが掛けられ、清潔な雰囲気にあふれています。

★照明は白熱灯が天井中央に一列に並んでいます。通路には結核を予防する見地からタンツボが備わっています。



★トイレと洗面所は座席車の標準仕様である、車端部にそれぞれ一ヶ所ずつ設置されています。トイレは和式です。



▲客室の窓は、国鉄客車最大の1300㍉を誇ります。車内には陽光がさんさんと降り注ぎます。このあと製造されたオロ40形式も広窓ですが、長さは1200ミリで10㌢及びません。

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