このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
マロネ40形 2等寝台車
マロネ40 17 門タケ 普通急行(雲仙) 区分室側 昭和33年8月 奥野利夫撮影 |
マロネ40 1 普通急行(彗星) 廊下側 京都 昭和30年7月 奥野利夫氏撮影 |
マロネ40 10 東シナ 区分室側 |
マロネ40 10 東シナ 通路側 |
昭和23年に米軍の指令によってマイネ40形1等寝台車として製造され、昭和30年の1等寝台車廃止に伴い、寝台設備はそのままに2等寝台車としてマロネ40形に改称されたのが本形式です。 製造当初は両デッキ車として登場しましたが、その後給仕室や喫煙室を設け、デッキも片側のみに改造されました。 車内は二人用区分室とプルマン式の開放型二段寝台を備え、国鉄の車両の中で最も豪華な設備を誇っています。 しかし、すべて700㍉狭窓となっているため、近年登場した窓の大きい10系客車や20系固定編成客車に比べると、明るさという点で多少見劣りがしてきました。 |
マロネ40 平面図
★二人用区分室は3室あり(定員6名)、A室扱いになります。 上段2160円、下段2760円の寝台料金がかかります。区分室は部屋売り制になっています。 開放式寝台(プルマン式)は定員22名でB室扱いになります。 上段1680円、下段2160円の寝台料金がかかります。 ★昭和33年10月の改正から、 東京〜長崎間特別急行(平和)、 東京〜鹿児島間特別急行(はやぶさ) 東京〜大阪間普通急行(彗星) 東京〜長崎間普通急行(雲仙)の4列車に連結されています。 (雲仙)の編成はこちらからどうぞ。 | |
★内装を見てみましょう。木目を生かした壁板に、天井はクリーム色で塗られ、最後にニスで上塗りするという戦前からの標準的内装になっています。 火災を起こしてその後復旧したマロネ40 15のみ、マロネ41のような淡緑色のペイント塗りつぶし仕様になっています。 ★二人用区分室は枕木方向に二段の寝台が並んでいます。寝台幅は700㍉で、寝台長は1895㍉あります。この寸法は(あさかぜ)のナロネ20形二人用区分室とほぼ同寸になっています。 ふとん地は緑色で絹製の西陣織の高級品を使っています。窓のカーテンもふとん地と同じ素材が使われています。片隅には洗面器が設置されています。 昼間は、下段はそのままで、上段寝台を下に倒して背もたれとして使用します。 ★区分室は戦前製のマロネフ58形のプルマン寝台を踏襲したものです。 ふとん地は区分室と同じものを使っています。 下段は、昼間の座席を引き出して寝台とし、上段は上からおろす舟形寝台になっていてます。 下段の寝台幅は915㍉で寝台長は1930㍉あって、区分室より広いものになっています。 ★昭和23年当時はまだめずらしかった蛍光灯が車内照明に使われています。国鉄の車両としてははじめて蛍光灯を使用したものになりました。営業初期には点灯しないトラブルが続出しましたが、今は改良され故障もなくなりました。 | |
★寝台車としてはじめて冷房装置を取り付けました。車軸の回転によって冷房動力を得る「川崎重工式」と呼ばれる冷房装置で、床に大きな機械をおくためにスペースを確保する必要から、3軸ボギーではなく、2軸ボギーが採用されました。 この冷房装置は夏のシーズン以外は、車両基地で取り外されて、少しでも機関車の負担を軽くなるように配慮がなされています。 ★床下の冷房装置から得られた冷気が天井裏に取り付けられてある空気調和装置にまわされ、ここからダクトを通して各寝台に冷風が行きわたる構造になっています。 天井裏にダクトを通す関係から屋根は車両限界いっぱいの、深いアーチ形のものになっています。 | |
★区分室寄りに洋式便所が一つ、開放室寄りに和式便所と洗面所が一つ設置されています。 洋式便所はまだまだ日本人にはなじみのないものですが、外国人観光客の使用を考慮したものです。 |
▲マロネ40の屋根上です。冷房装置つきのためベンチレーターはありません。天井裏には冷風が通るダクトが取り付けられているため、深い屋根になりました。天井裏にダクトを通し、車両限界いっぱいまで屋根を深くする思想は20系固定編成客車に引き継がれました。 |
▲マロネ40の妻面です。 屋根は独特の深いカーブを描いています。 |
▲床下につるした「川崎重工製冷房装置」です。かなりの重量があります。冷房の季節以外は取り外して、客車の自重を軽くします。 |
▲両方にデッキがあった時代のマイネ40 10の写真です。この当時、車輌真ん中に備品を収納する物置がありましたが、 ここに給仕室を設けることになり、写真手前のデッキを潰して物置を作り、現在の片側デッキ車になりました。 昭和28年10月、京都にて奥野利夫氏の撮影です。 |
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