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宮崎に来ないよ!
「宮崎に来ないよ!!」
標準語で言えば「宮崎に来て下さい!!」なのである。

宮崎といえば、ガイドブックを見てみても特段『目玉』というモノはない。フェニックスリゾートはシェラトンに変わった今でも微妙に駄目だし、民法は2局しかない。鰹や伊勢エビはおいしいけれども、福岡など日本海側の魚介類の豊富さには敵わない。物はない。若いモンは週末ともなれば福岡や鹿児島へ買い物へ行く。

でも私は言っちゃうんですよね。「宮崎に来ないよ!!」って。大学時代5年も宮崎にいて、福岡に帰って、また宮崎へ出戻っちゃう。まさにその理由なんですよ。誰かが言った“宮崎には魔物が住んでいる。”。これは真実でありまして、宮崎には心をグッと掴んで離さない魅力がどこそこに存在しているのです。


春、山櫻。そしてソメイヨシノが咲いたかと思うとすぐに梅雨に入る。

夏場の暴力的な太陽。陽炎に揺れるビニールハウスと真っ白な舗装路。海沿いではスコールのように大雨がいきなり降り出す。宮崎平野のまっとうな夏のシーン。午後8時頃まで薄暗い空。遠雷・・・。

秋。山間部では紅葉が色づく。栗、猪、鹿・・・。山の幸の豊かなこと。県南では伊勢エビの漁も始まる。五ヶ瀬川の鮎、高鍋の牡蠣・・・。1年でもっともおいしい季節も駆け足で過ぎていく。

冬、大根の寒干し。韓国岳の霧氷・・・。国見岳から眼下に広がる雲海。夜神楽・・・。


「やっぱり何もないじゃん。」なんて思う人もいると思う。本当に生活する上で不便だなと思ってしまうことって多いです。でもそげん貧しいなんて私は思わないんですよね。実際仕事で車を運転していても巡る車窓にわくわくすることが多いです。

「ずっと向こうに台風があるのか・・・。」うち寄せる波を見ながらぽつんとつぶやく。「雨が降りそうだねぇ・・・。」「あ、虹だ・・・。」雲や太陽とともに動いているという感じ。夜、空を見上げればスッと流れる星。そんな夜の何と幸せなことか。

言葉は良いとはいえないけれど、人当たりは優しい県民性。聞き取りにくい、意味わからん!・・・。そのような時はあるけれど、話していて楽しくなってくる。懐が深いのである。焼酎を飲みながら話に夢中になって・・・。お湯割りで呑んでいたはずのコップの中身が気が付いたら生になっていたなんてことも・・・。

ね?ね?分かります?だんだん自分でも訳が分からなくなってきたけど、いっぺん宮崎に来ない!!って言いたいのですよ。ね。どっぷり浸かってみませんか?
(2003.12.17)

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