このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

朽ちつつあるが…
(05.05.31)
宮崎県道33号の道すがら

老体は動くことも出来なくなった体を横たえている

それまで 風雨から身をまとっていたビニールシートははがれ

かつて光沢を誇っていたボデーも ずいぶん錆に侵されてしまった
これでも昔は木材の搬出に持てる力を発揮したものだ

錆だけでなく 塗装まで所々剥げつつある姿

この一つ一つがかつて現役であった証拠であり 過去の栄光である

一つの時代を支えたものとしての矜持は持っている
硬化したゴムタイヤが語るものは何か

単純にこれまでの走行距離であったり 

この場所に留まるようになってからのこれまでの年月

表面に付けられた傷は無数 でも私にはこのタイヤがこれまで

どのように歩んで  そして今目の前にあるのか分からなかった

ただ…

圧倒的な存在感だけがそこにあって

県道を行き来する車に何かしらを訴えかける

朽ちつつあるが何かを伝えたい…

そんな老体の思いにこたえた遅い春の日の午後だった
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