このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

さて、会場の中に入るが、ちょうど後継者、女性、高校生と3つの和牛審査協議会が終わったばかり。審査対象の牛について、全国和牛登録協会のセンセーから紹介がなされている所であった。

その後、第4区分の審査が始まる。

和牛能力共進会では、月例や系統、母子、肉質・・・といった全部で9つの区分での審査が行われる。私はベンチに座って第4区分の牛が入場するのを待っているのだが、この区では、地域で永らく飼養され、その地域の改良の基礎を担ってきた“固有”の系統に対してスポットを当てるもの。種雄牛が全国的に同じ様な系統に偏りつつある中で、危機感から前回の鳥取県大会にて導入された区分であったが、その鳥取県大会では、宮崎県は西臼杵地区で受け継がれてきた“奥高”系統で優等賞首席を獲得し、そして内閣総理大臣賞を受賞している。
さて、そうこうしているうちに審査が始まった。

カウボーイハットを被っているのは岐阜県代表の出品者。

こういったユニフォームを見るのも全共の楽しみ。統一感があって好きですね。
そのような中を怖い目をした審査員が牛を凝視してまわるのですが、会場内はその動向に注目する。

審査が終わったからといっても気が抜けない。審査員は緊張がほどけることで、牛体がくずれないかも審査しているのだそうです。地元出品牛を応援する声に混じり、そのようか声が聞こえておりました。
第4区の審査は前後半の2部構成。宮崎県からの出品牛が登場するのは後半の部なので、しばし審査の様子を眺めていた。そして、先ほどひらかれていた和牛審査競技の表彰式となる。

この項のtopは見事、後継者部門で全国トップの優秀賞に輝いた串間市の
深江将央さん。深江さんは和牛農家として全共への牛の出品にも挑んだが、惜しくも県代表を決める最終選考で涙を飲んだそうだ。全共へは、和牛審査競技の一選手として、同じ南那珂地域からの出品者のサポート役として参加している。順位の発表の際、両手を挙げてのガッツポーズ、そして優勝トロフィーを大きく掲げての退場に、宮崎県からの応援団は大いに沸き立ったのだった。

また、女性の部、高校生の部でも日南市の
鳥越千恵子さん、高鍋農業高校の藪内健晶さんも優等賞に次ぐ上位者(2〜6位)に贈られる優秀賞を獲得。和牛畜産の担い手が確実に育っている様子を見せつけた。

そして、後半部分の第4区分の審査が始まった。
前回の全共と目に見えて違ったのは、各県の牛も含めて調教が徹底されていることだろうか。

まぁ、和牛の善し悪しを測ることができるほど目が肥えていないので表面的な部分しか見ることができない・・・ってのもあるのだが、前回大会の審査では、待機時間を我慢することができず、ちゃかちゃか・・・と落ち着かない様子を見せた牛が多かった様に思える。その中においても宮崎の牛は微動だにしない・・・という形容が当てはまるほどで、圧巻、ダントツの出来であった。

各県ともそれに対応して・・・といったところか。宮崎県からの代表牛。南那珂地域から出品された

    ・「まみ511」号(
黒木松吾さん飼養:串間市)
    ・「つみえ221」号(
岩下信さん飼養:串間市)
    ・「たまこ3」号(
鳥越春枝さん飼養:日南市)
    ・「きくみ2の2」号(
吉田正彦さん飼養:串間市)

の4頭である。画像はちょっと暗くて変わりづらいかも知れないが、今回、宮崎県は代表として南那珂地域にひろく飼われている『美福10』の系統を選んでいる。この美福10。宮崎県の和牛が飛躍を語る上で外せない一つのピースである“名牛”隆美号を輩出するなど、宮崎の和牛生産に大きな足跡を残す牛だ。同区分に出品された産地の系統の牛の数を比較したときに、産地規模の関係でどうしても大きな数となってしまうのだが、それだけ影響力が大きいということだろうか。

この系統の特徴としては、牛を横から見たときの背中の線(これを体上線といいます)と顔の品位にあるとのことでしたが、遠目で見ておりまして、確かに力強さがある。他の県にも「おっ!?」と思わせる牛はいるのであるが、セットでの比較となると「宮崎県は今回も良いところをいくなぁ・・・。」と思った次第。
審査が終わった後、会場から代表牛が引き上げてくる。
第4区分の結果が出るのは大会最終日。その日の序列決めを待たなければならない。

会場に隣接する牛舎エリアに戻ってきた牛、そして出品者を拍手で迎える人たち。

手応えを感じてなのか、皆、表情が明るかった。
結果が発表されたのは私が宮崎に戻ってきての29日でしたが、見事、この区分では大分県を抑えての優等首席を獲得。

おめでとうございました。
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