このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

薪のある風景
宮崎では、ちょっと郡部に行くだけで昔懐かしい風景に出会うことができるのである。

たとえば、この“かまど”焚きの風呂なんて言う物であって、農村部では未だに『現役』であり、時としてその町の中心部ですら見かけることができるのだった。

この“かま”を見ることができたのは木城町。仕事である家を訪れたときに撮影したもの。薪の投入口からはすすで黒光りしていて、“蓋”は内側からの熱でさび色に変色していた。このような風景になじみのない私はとにかくめずらしく、そしてうれしかった。だって、わたしのあたまのなかでは、薪で風呂を沸かすと言うことはもう『私など知らない彼方』へと過ぎ去ってしまった風景だったのだから・・・。

暫ししゃがみ込んで観察していたら、同行の人は「そんなのがめずらしいの?西都の三納あたりに行けば(“かまど”焚きの風呂のある家なんて)いっぱいあるよ。」と笑っていた。
この家の車庫には大量の薪が積まれていた。

太いのや細いの・・・。これだけの数をどこから集めてきたのだろうか。所有する山林からか・・・。それとも今年は台風14号の襲来があったのでその風倒木からなのか・・・。

見たところ、スギやヒノキといった針葉樹よりはクヌギなどの照葉樹の方が多かったようだ。
このような風景ってのはすぐにでも移ろいでいくはかなさを秘めているのであって、目にとまったときにちゃんと記録しておかないと「次がない」という事も多々ある。薪で焚く風呂。昔はこれがスタンダードだったのだろうけど。

このような風呂に入った事がない人種としては、湯気の向こうの窓から見える風景ってのが気になってしまうのだった。ガス焚きの風呂よりも暖まるのであろうか。体の芯から疲れが抜けていくのだろうか・・・。ちょっと想像してみたが、いまいち・・・である。

この時は風呂までは見せてくれとは言えなかった。ちょっとそれが残念。
(06.01.20)
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