このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
土産物屋を覗いているうちに10時を回った。
観光バスが次々に狭い路地に入り込み、そのたびに観光客を吐き出す。早朝は静かな山村の生活空間。だが一気に観光地としての表情が現れてくる。年間380万人の観光客が訪れ、「あこがれの観光地」として強い支持を得ている由布院の姿。
九州の他の観光地とは対照的な賑わいだが、町の景観だけでなく地元の暮らしまでもが崩れてきているという問題も抱えている。歩いていて気付いたのだが、以前あった店舗が入れ替わっているものもあり、また新しい土産物屋も増えたようだ。
高速道路が完成した以降、マイカーでの観光客が増え、休日の度に町の中心部は車で埋まる。渋滞でまったく身動きが取れなくなることもしばしば。
町としても黙っておれず、ついに11月23日(土)〜24日(日)と「交通社会実験」を実施するようだ。郊外に駐車場を設け、高速のI.C近くの「道の駅」からの有料送迎バスと「南由布駅」からのJRを利用した、2種類の「パーク&ライド」方式を採ることで町内への一般車輌の進入を制限するらしい。滞在型から散策型の観光地へと急激に変化している状況に対して、町も模索を続けている。
ここで注目したいのが、南由布駅から列車に乗るという「レールライド」の方。これについてはトロッコ列車を運行が計画されている。以前からアクセス特急だけでなく風景を楽しむ列車もは知らせればよいのにと思っていたので、これは楽しみである。
チェックインの時間は午後3時半。
まだまだ時間はある。ゆっくりと歩きながら所々でシャッターを押す。
もう空はすっかり晴れ渡り、てっぺんを白く染めた由布岳をすっきりと望むことができる。
空の青、山の白。そしてあたたかい紅葉の色。コントラストが美しい。
これでもう少し気温が上がってくれると「うるうる」状態なのだが。
昼食は湯の坪界隈の「ラルコル」というレストランバーにて。
ビーフカレーと特製オムライスを頼んだが、味の方はまあ普通。
しかしこの「ラルコル」。外観は普通の民家調なのだが、店内は半地階のようになっていてそこには暖炉がある。
食事の後も外に出たくなく長々と暖炉のそばで居座ってしまった。
飯も食った。
さて、(私的に)今回の由布院行の最大イベント、「下ン湯」突入である。一緒になった人と何かしら話せるかも知れない。んで、行楽シーズン。「もしかすればお姉ちゃんが・・・」と甘い妄想も湧かないこともない。「じゃあ、行ってくる。」と半ばスキップで金鱗湖へ。
冷え込みが厳しくなりかなり寒い。だが心は熱いのである。SUBARUのP.ソルバーグ並のスピードでミニカを駆り、あっという間に下ン湯に着いた。向かいの公衆浴場の利用者か、車が多くなかなか駐車できない。駐車場には、なぜかヤクザなスポーツカー「Super7」が2台停まっている。
入湯料が以前の100円増しになっていた。200円を投入して中へ。少し嫌な予感がかすめる・・・。
中は思っていたよりも広い。
天井は高いし、ヒノキの内風呂に池が望める露天。白熱灯の明かりがいい感じだ。先客が2人。話してみると外の「Super7」のオーナーだそうだ。飯塚からから山越えをして由布院泊。明日阿蘇でオフミーティングがあるらしい。露天に浸かり、しばらく車談義に花を咲かせた。やっぱり「Super7」、運転していて寒いらしい。全天候型オープンカーといえば解って頂けるだろうか。
見上げれば星空。流れ星が落ちる。そのたびに歓声が上がる。
吐く息が白い。この分だと明日の朝霧は期待できそうだった。
おじさんが一人入って来た。
この人は自衛官で、所属は砲科の方面。休みを利用して温泉を回っているそうで、昨日は久住を回ったと言っていた。佐賀の焼き物の家系の出だが、ひょんな事から入隊し、日本中を回ったそうだ。北海道の山のてっぺんにある温泉の話などを聞かせてくれた。
このおじさんによれば、少し前に下ン湯のポンプを交換したらしい。それで入湯料が上がったのかなと一人想像する。
ここまでは良かったのだ。
直後、別府大学の学生やら、気合いの入った兄ちゃんなんかが入ってきて、気が付けば野郎ばっかり十数人。
お姉ちゃんはどうした!こんなはずじゃなかった・・・。
速攻退散することにした。
ホテルに戻っても、思い出したくないので、彼女には温泉での出来事をあまり話さなかった。
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