このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

夜中に雨音で目が覚めるが、朝起きるとその雨は上がっていた。“北由布”は2晩取れなかったのでホテルを移動。ビジネスホテル“ビッグベアー”に車だけ置かせてもらって散策へ出た。

こんな悪天候だというのに湯布院駅からは特急がたくさんの人を吐き出している。大型バスも次々と到着している。今日も賑やかになるだろう。それにしても湯布院という町は変わり続けている。今まで企業の保養所のあった場所が大きな空き地へと変貌していた。この後には何が建つのであろうか。スローライフを謳った土産物屋だろうか。それとも時間制の駐車場だろうか。これまで旅館があった場所には新しく土産屋ができていたし、老舗の部類にあった観光客向けの雑貨屋がカフェに変わっている。湯布院を初めて訪れた大学1年の頃、夏の太陽に道路が静かに揺らいでいたあの頃の面影はほとんど失われてしまった。あの静かな湯布院はもっともっと変わっていくんだ。そんな大きな落胆を胸に、いくつかの土産物屋を覗いた。GWに来るのは辞めよう・・・と心底思った。

くるりと近隣湖を周り、“天祖神社”に参拝するのはいつものコース。実は“玉の湯”で豊後牛の網焼き重”を食べる気でいた。しかし、1日20食の競争に敗れてしまった。リベンジを決意し、次の手を探す。今まで行ったことのない店を考えてみた。こうなればやはり肉である。豊後牛が食べたひ・・・。で、金隣湖畔にある“ペンション金鱗湖 豊の国”のレストラン“洋灯舎”でランチを食べることにした。湯布院では破格とも言える1500円でお手軽に豊後牛のステーキが食べられるのだ。
いつもと違う角度から。
この項のトップがこのレストランから見た金鱗湖の眺め。湖上に建つ、ここだけでの金鱗湖である。

熱々のステーキを食べながら下を見ると、湖面にはたくさんの魚が集まっている。建物が影になっていて、外敵から身を隠すのに具合がいいのか。ブルーギルかと思ったが、テラピアと紹介しているサイトもある。ホントは?
美味いぞ、“ゆふいんのうどん”
麺類が好きです。うどんももちろんオッケーです。ガイドブックに載っていたごぼう天うどんが美味しそうでずっと気になっていたんです。

夕食をさっさと決めて、再度散策を楽しむことにした。“湯布院 焼酎蔵”で粕取り焼酎を試飲した後、wifeのリクエストがあったテディベア、猫、ガラス・・・と、いくつかの店を回る。“亀の井別荘”の庭で一息を付くのはいつものことだが、フリースペースの一角に野菜の市が出ていた。ウド、蕗等の山菜や、地元生産のほうれん草といった野菜。緑色がきれいだ。この市も季節によって豊後水道の魚が並んだりと目を楽しませてくれる。だから、亀の井別荘は人を引きつける。
だんだんと薄暗くなってきた。18:00をまわっている。営業時間が19:00までの“田舎庵”なるうどん屋へいそいそと入った。この“田舎庵”。昼間に店の前を通ると駐車場がいつもうまっているお店だ。何度か昼食に利用を試みたことがあるが、店は満席。やっとリベンジを果たせる。

写真の腕が悪いのかはあまり美味しそうには見えないが、とにかく大きなかき揚げがのっているのがごぼう天うどんである。やや甘みのあるだしに天ぷらの衣の相性は閥群で、麺もしこしことしている。だしに香り付けで浮かべられている柚皮がいい味を出しているのである。

wifeが食べたのが地鶏うどん。味付けの鶏肉が入ったうどんだが、これもめちゃうまであった。
腹もふくれたのでホテルへ戻る。風呂も入り、天気予報を「明日は晴れるっちゃね。」と何となく見つめていた。その晩は早く寝てしまったようだ。1日中歩き回っていたからであろう。
早朝を見つめる一つ目
異様に早く目が覚めてしまった。時計を見るとまだ5時を回ったばかりである。せっかく目が覚めたことであるし、一人カメラを持って歩くことにした。出かけるのはもう少し空が白んでからだ。フィルムが装填されているか、メモリーもまだ残っているか・・・。ごそごそしているうちに太陽が顔を出していた。

由布見通りの裏路地から湯布院駐屯地、そして家並み中を湯の坪から中島へと抜けて金鱗湖へ大きく迂回するコース。旅館の看板は立っているけれども、石垣と茶の木、庭には自家消費用の畑を持つ家々が並ぶ。年間400万人近くの観光客が訪れる町であることを忘れる事ができる風景。
田には水が引かれ、5月が本来の田植えの季節であることを教えられてしまった。早期水稲が主流の宮崎平野に住んでいると、こういった感覚も薄れてくる。宮崎平野では、4月中旬には田植えは終わる。

屋根の間から由布岳が見え隠れするコンクリート舗装の道を歩いた。町営住宅の前に出て、ここから下へ坂を下ると九州横断道路へと出る。まだ若いクヌギの葉の色に道が染まっていた。

路地裏へと入り込むと、まだまだこういった風景が残っているのだ。表面的(=観光土産屋の並ぶ)な街並みを歩くのも楽しいのだが、こういった昔ながらの風景が私の足を湯布院へと向ける。

途中途中で足を止めながら、銀塩とデジカメの2台のカメラを持ち替えるのも忙しい。見上げると電線には雀が遊んでいた。
金鱗湖から津江の小路、玉の湯・・・。ゆっくり歩いて由布見通りへと戻ってきた。時計を見ると2時間以上歩いていたようだ。夢中で気が付かなかった。

ホテルへと向かいながら、シャッターの下りた商店の軒先に目を向ける。色とりどりの花鉢が目に入ってくる。

宮崎県児湯郡でもよく見かけることができるルピナスの花が咲いているのに気づいたので、ファインダーにおさめた。「冬場は氷点下に下がることもあるけど、案外寒さにも強いみたいよ。きれいな花でしょ?」と、掃除をしていた美容院のおばぁちゃんが教えてくれた。

朝日に桃色の花が輝いている。
それにしても本当に天気がよい。今日は阿蘇を通って宮崎へと帰ろうか。そう思ったところでホテルの前に着いた。

次はいつ来ようか・・・。
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