このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

翌朝、7時前に目が覚めた。ゴソゴソとやっていて妻を起こしてしまったが、カメラの準備をして撮影に出かけることにした。今回はこれまであまり入り込んだ記憶がない駅前の商店街(駅から見て東側)から金鱗湖へ攻めることとする。
表通りについてはカメラを持って入り込んだことがあったが、この路地は初めてであった。地方都市の歓楽街のイメージそのままのその風景は何処か懐かしく、その中で唯一、スッと立った“やぐら”がこの町が温泉地であることをしっかり認知させる役割を持っている。

黄昏時に撮影をしたのであればどのような表情を見せるのだろうか・・・。
その路地から“麦酒館”の前を通り過ぎて、大分川の河川敷を金鱗湖に向かって歩いた。河川敷には菜の花の黄色がチラホラと見えるが、どれも草丈が低い。“クアージュゆふいん”のそばにかかる橋からは満開の菜の花を手前に由布岳を見ることが出来たはずだが、菜の花が咲き誇る季節には少し早かったのであろうか・・・。

まあ、そのようなことを考えつつ、水中にアタマをつっこんで逆立ちしてい入る水鳥を観察しつつ歩いた。・・・ふと見上げると由布岳が真っ正面にある。天気は余りよいとは言えなかったが、頂が雲に隠れるようなこともなく、豊後随一の美しい山容を見せてくれていた。
金鱗湖。もう8時を回ったので散策を楽しむ人も多くなってきている。そのような風景をフィルムに収めていたら、「写真をお願いしても良いですか?」という声。もう、若いおねぇちゃん達やったモンだから、即答でデジカメを預かりましたよ(爆)。

天祖神社をバックに「ハイチーズ!」とやりましたけれども、そのおねぇちゃん達は構図が気に入らなかったのか、別の人にも撮影をお願いしていた。・・・私の役柄って何だったのだろう。

そんなこんなで1時間ほどの散策は終了した。荷物を片づけて、盆地に車があふれる前にチェックアウトをする。
湯布院を発つ前、妻の要望で前日に行った“B-speak caffe”の隣にある茶房“ 桐屋 ”という店に入った。私は美味しい日本茶を飲ませるというので入ったのだが、妻は「おはぎが食べたい。」と言う。甘味系は苦手な私であるが、このような機会でもない限り食べることもないから・・・と2つ、このおはぎを注文し、先に注文した玄米茶をすすった。

茶をすすった瞬間、「!!」と思いましたよ。上の画像のように茶釜でお湯を沸かす様子を見ていましたから、これは本格的だなぁ・・・と思っていたわけですね。たかだか玄米茶と思ったのが間違いやったです。まず、香りが違う。そして風味。今まで飲んでいた玄米茶が如何にいい加減だったかを思い知ったのでした。それにしても、(お茶っ葉も違うのでしょうけど)入れ方一つでこうも変わるとは・・・。はじめは「お茶くらいで金をとるのかよ・・・。」なんて思っていたのですが、これはいい刺激になる。店の雰囲気も良いし、一枚板のカウンターにてお茶を入れる様子を観察するのも楽しい。
そうしてやってきたおはぎを食したのだが、甘ったるくもなく非常に上品なのですね。多分食べ残すかも・・・と思っていたのだが、完食しました。
今回の湯布院行では新しい店、入ったことの無い店を中心に攻めたのであるが、なべて当たりであった。

・・・そういったことを帰りの車の中で妻と話していたのだが、阿蘇の町へ下りてきたときに道路の情報板に「地震のため通行規制」という文字が入っている。その時車で走っていた場所が場所だから、「阿蘇山の火山性地震だろうか。」と楽観していたのである。だが、その直後母から電話が入った。

「福岡が地震でもの凄いことになっとぉよ!!そっちは大丈夫ね?」

そうである。「地震」とは先日発生し、福岡市を中心に震度6弱を記録した“福岡西方沖地震”だったのだ。すぐに車を停めてあちこちに連絡を取るが、電話が繋がらない・・・。

後日、一応すべて連絡をつけたわけであるが、地震など無縁だと思っていた福岡の人が地震にうろたえる様子はすぐに想像できる。その後のストレスも非常に大きなものだろう。被害を受けた方々にお悔やみを申し上げると共に、一日も早く心の平穏を取り戻されることを願って、この項を締めくくらせてもらう。
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