このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

朝。起きると外は真っ白であった。

時計を見ると6時半だ。飛び起きてカメラバックをからって町を散策した。

東石松から宇奈岐日女神社(六所宮)の方へ歩く。途中、勢いよく蒸気を吹き上げる源泉を撮影するなどしてゆっくりと路地を歩いた。肌に空気の冷たさが刺す。石積みの茶畑や車のボンネットには一面に霜が降りていて、一面をグレーに染めていた。

厚生年金病院あたりまでくると、霧の隙間から山頂部にだけ朝日を浴びてオレンジ色に光っている由布岳が見えた。
逆光の川霧はただただ幻想的であって、私の足を時折止めた。

このような景色にひかれるのは私だけではないようだ。途中、カメラを構えている人の姿を何度か見る。朝早くからお疲れ様。

津江から佛山寺を経由して金鱗湖へと向かいたかったが、ゆっくりとしすぎたのであろうか。気がつけば旅館の朝食の時間であった。
津江の小道から大分川へ出た。前日も歩いた川沿いの道だ。

アオサギが魚を捕ろうとじっと水面を見つめている。菊池寛の小説『恩讐の彼方に』の禅海和尚が得度した寺としても知られる興禅院を過ぎれば旅館はすぐそこだ。

2時間ほどの散策で体も十分すぎるほど冷めてしまった。温かいみそ汁がきっと待っているのだろうな。
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