このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


富士   (東京〜大分)
はやぶさ(東京〜熊本)

最後に残った、東京〜九州寝台列車でした。


平成21年3月13日発までで廃止。


富士・はやぶさ 最終列車
風雨の中、東京へ向かう「富士・はやぶさ」最終列車です。

九州内での人身事故の影響で1時間20分遅れ。

3/14朝撮影
惜別乗車の乗客らと、手を振り合いました。

廃止直前の 富士・はやぶさ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


時代の流れと言えばそれまでですが・・、時々、ふと振り返りたい気持もあります。

時間を掛ける旅。
こういう列車は、残したかったです。

 


東海道本線 共和〜大高
 



東京〜九州寝台特急は、最後は、この1往復のみとなりました。
夕刻になると、東京駅から続々と西へ向かう寝台特急が発車して行ったのは、もはや過去の話です。


ひと昔前、春になると「集団就職」で、大勢の若者が東京や大阪に向かいました。
親や兄弟
に見送られ、年端も行かない若者が、寂しさと不安を胸にしまい込み夜行列車で旅立って行きました。

「1人でぽつんと座り、寂しそうに外の景色を見つめる姿が忘れられない」
「若者が終点の東京で下車する時、「元気で・・。頑張ってな」 つい、そうやって声を掛けたくなりました」
と、ある年配の車掌さんに、聞きました。


B寝台
 


私は、九州寝台特急の車内で、「集団就職で都会に来てから、いつも帰省はこれです」という高齢の利用客によく会いました。
消え行くものへの哀愁だけでなく、私はいろいろな人々の思いを乗せて走った九州寝台に、思い入れを持っています。




東京駅
寝台特急は子供達に人気です。


東京駅
 



東京駅
夕刻、品川基地から入線。
この機関車は本務機ではありません。


東京駅
本務機は最後部で、引かれてきます。
折り返す格好で発車するので、両端に機関車が付いています。


東京駅
この機関車は、切り離されます。品川基地から東京駅までの回送牽引が役目です。
ここを最後部として、九州へ向けて発車します。

「富士」「はやぶさ」、それぞれにA寝台個室がついてます。

テーブルは蓋を開けると洗面台です。

A寝台個室の施錠は、暗証番号方式です。

ジュースの自販機と公衆電話があります。



下関駅
下関で機関車は交代。

本州(東京〜下関)を担当する機関車から、関門トンネル用機関車へ交換します。



(下り列車)


下関駅
本州内を担当した機関車。

九州内は架線の電気は交流になっています。
したがって、直流専用の本州内担当機関車から、交流専用の九州内担当機関車へ変わります。

しかし、下関〜門司は、電気が切り替わる区間なので、直流・交流両方対応可の機関車が担当します。


下関駅
関門トンネル(下関〜門司)を担当する機関車です。

本州内、九州内の両方を走行可能の機関車です。


下関駅
機関車交換には、乗客も多数見物に来ます。


下関駅
 


門司駅
門司駅では、熊本行き「はやぶさ」と、大分行き「富士」の切り離し。

切り離シーンにも、見物人が集まります。


門司駅
 


門司駅
機関車は、九州内担当に交換。


門司駅
はい、ポーズ。


赤間駅
赤間で運転停車し、俊足の特急「ソニック」の通過待ち。

同じ特急でも、向こうはとても速いので博多まで逃げ切れません。





運転停車:ドアはあけない停車


熊本駅
終点、熊本に到着。


熊本駅
熊本駅の車両基地の建物は、レトロな雰囲気です。



未明に福山駅を通過。

いくつもの駅を通過して行く。

分割する門司駅では、切り離しシーンを見に、家族連れ等が大勢集まりました。

はやぶさ号が先に発車。

富士号にも機関車が付きます。

 


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幻の「富士」

特急「富士」は、今は大分までですが、以前は宮崎(南宮崎)まで、さらに前は西鹿児島まで行ってました。
所要時間は、約24時間半。
24時間を超える列車だったのです。
つまり、夕刻に西鹿児島行き「富士」が東京駅を出るとき、前日東京を出た「富士」はまだ西鹿児島に着いていないのです。

上りの場合は、朝に西鹿児島駅を発車しました。
朝に出発する寝台列車です。
同様に、西鹿児島駅を東京行き「富士」が発車する時、前日西鹿児島を出た富士は、横浜あたりでラストスパート中です。

私は、ある日の午前、宮崎から鹿児島方面へ日豊本線を普通列車に乗っていました。
山中の駅で、列車はしばらく停車していました。
最初、離合待ちかと思いましたが、一向に対向列車は来ません。
私は、ふと「富士」を思い出しました。
午前に、このあたりを東京へ向かって走って行ったのだなと感慨深く思っていたら、幻の「富士」が駅を通過して行ったような気がしました。
そして、普通列車は、他の列車と離合しないまま発車しました。


西鹿児島駅:現在の鹿児島中央駅です

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