このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
秩 父 鉄 道 車 両 公 園
秩父鉄道終着駅「三峰口」駅構内隣にある、小さな公園"秩父鉄道車両公園"。ここでは、その小さな公園をたっぷりご紹介します。
■ 概説
秩父鉄道車両公園は、秩父鉄道開業90周年を記念して、三峰口駅構内を改良して整備された車両公園です。
目的は、秩父鉄道で活躍した車両を末永く保存していこうというものでした。
展示車両は貨車、電気機関車、電車の3タイプ10車両が展示されています。
開園当時より、自由に車内や運転台などに入れることも魅力の一つでしたが、現在は殆ど立入できません。
尚、蒸気機関車が方向転換をする"転車台"はこの公園に隣接しています。
その為、SLが"転車台"を利用する際には、大勢のお客さんで賑わいを見せるのも特徴です。
■ 展示車両紹介
・電車
クハニ29号+デハ107号(写真はクハニ29号):
クリーム色とブラウンのツートンカラーで活躍した秩父鉄道オリジナル車両です。
今となっては譲渡車両図鑑と言っても良いくらいの秩父鉄道ですが、これはオリジナル車両です。
昭和20年代半ば(1945年頃)に日本車輌で製造され、その後荷物車なども連結されました。
現在は車内に立入できません。
・電気機関車
デキ1号:
1922(T11)年に登場した秩父鉄道初の電気機関車。
秩父鉄道には全部で5両が在籍しました。この車両はその一つです。
実はこの機関車、米国から輸入された車両。凸型の独特なボディーはボールドウィン社製。
機器類はウェスチングハウス社製という、大変興味深い車両です。
なお屋根に上がるのは危険です。マナーを守りましょう。
ウ〜ン、米国製台車です。
米国製台車マニアの方々は、たまらない一品の筈。
ED381号:
阪和電鉄で活躍していた電気機関車。
当時としては大型で、発電ブレーキを搭載した機関車であったことから、"戦前私鉄電機の最高傑作"とも言われるほどです。
阪和電鉄はその後、南海→国鉄へ買収された為、阪和電鉄ではロコ1000形という名称からED38形に名称を変更。その後1〜3号が秩父鉄道に譲られました。現在展示してあるのは1号機です。
・緩急車
ヨ15号:
緩急車も展示されています。
緩急車とは車掌室があり、緊急時に非常ブレーキを掛けられる装置を装備した車両のことです。
尚、緩急車の殆どは貨車を改造した車両です。
当時は貨物列車の最後尾に、緩急車を連結することが義務づけられていましたが、1988(S62)年に制度が廃止されたのを受けて引退しました。
因みに、ヨ15号は全国でも珍しい4軸の緩急車です。
ワフ51号:
一般的なスタイルの緩急車です。
・貨車
昭和40年代(1960年代)に秩父鉄道で活躍した貨車たちです。
当時の秩父鉄道のセメント輸送はセメントを一つ一つ袋詰めしてから輸送するという、大変手間と時間のかかる作業でした。
現在のセメント輸送は袋詰めせず、そのまま貨車に積む「バラ積み」作業を行うほか、トラック輸送に需要を奪われ、徐々に活躍の場を失い引退していきました。
因みに、これらの貨車は「有蓋貨車」と呼ばれています。
テキ117号:
上記通り
スム4023号:
上記通り
トキ502号:
上記通り
■ 最後に・・・
いかがでしたでしょうか?こんなに小さな公園にもちょっと魅力を感じられましたでしょうか?
山間の素朴な駅にある小さな公園、秩父鉄道車両公園。
暇なときに、ふらっと訪れてみてみるのもいいかもしれません。。。
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