このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
「フランダースの犬」の舞台を訪ねて 2009年2月
子供の頃見た、少年ネロと愛犬パトラッシュの悲劇の物語「フランダースの犬」、 その物語の舞台となったアントワープの市庁舎と教会を訪ねました。 もちろん創作話で、しかも地元ではあまり知られてない話だそうですが、 私にとってアントワープは、いつか行ってみたい憧れの地でした。
ロンドンの友人宅で朝まで飲み明かし、一睡もせずに1人で旅に出ました。 バスに揺られて酔いが回り、地下鉄で吐きそうになりながら、必死でセントパンクラス駅に辿り着きました。 泥酔状態で持ち物検査や出入国審査を経て、車内に転がり込むとたちまち爆睡、気付くとブリュッセルでした。
まだ夜が明けてない、朝7時のセントパンクラス駅。
ブリュッセル中央駅から、地下鉄でグランプラスという広場に向かいました。 「世界で最も美しい広場」と称されるグランプラスですが、あいにくの雨でした。 左の建物は「王の家」、グランプラスを囲む建物には全て名前が付いています。 ギルドハウス群、屋根の装飾に見応えがあります。 正面の建物は「ブラバン公爵の館」 晴れていれば、広場の中央に花屋さんが商品を広げたりします。
グランプラスを離れて、周辺の町歩きです。
パフェのようなワッフルが目を楽しませてくれます。
ご存知!本家本元の小便小僧です。案外小さいです。 やっとアルコールが抜けてきて、ワッフルが昼食になりました。 ブリュッセル風ワッフルは、その柔らかい生地に何かをトッピングして食べます。 トッピングには、最もポピュラーなチョコレートを選びました。
【左】 いろんな色の小便小僧たち 【右】 小便小僧ならぬ小便少女です。柵が閉まってました。
ベルギーと言えばチョコレート、気取った高級店だけでなく、賑やかな店もたくさんあります。
【左】 ギャルリー・サン・テュベール ヨーロッパ最古のショッピングアーケード 【右】 この店で妻に鞄を買いました。
そしてまたグランプラスに戻ってきました。これにてブリュッセルを後にします。
市庁舎 グランプラスのシンボル的存在 高さは96メートルもあります。
ブリュッセルから鉄道で約40分、ついにアントワープにやって来ました。 但し、今夜はしっかり睡眠を取って体調を整え、観光は翌日にします。
アントワープ中央駅 ネオバロック建築の駅舎は大聖堂のようです。
泊まった駅前のビジネスホテル「アゴラ」 安くて綺麗で大満足でした。
翌日、空は晴れ上がり、観光日和となりました。 市庁舎と教会のある旧市街の中心まで、路面電車もありますが徒歩で向かいます。
アントワープの町並み まだお店は開いてない時間です。
フルン広場 教会が見えました。教会を背にして建つ銅像はネロが憧れた画家ルーベンス。 教会に入る前に、先に市庁舎を見に行きます。
市庁舎 ここで絵画コンクールの発表が行われ、ネロは落選してしまいます。
ブラボーの泉 写真では分かりにくいですが、水が溜まるプールのない噴水です。 ブラボーとは兵士の名前、ブラボーが巨人の手(アント)を切り取って投げた(ワープ)伝説が町の名前の由来。
市庁舎前のマルクト広場 ぎっしり並んだギルドハウスが町のかつての威光を放ってます。
いよいよ教会に足を踏み入れました。厳かな空気に包まれて緊張が高まります。 そしてついに、ルーベンスの2枚の絵の前に来ました。 ネロ「パトラッシュ、僕は見たんだよ、一番見たかったルーベンスの2枚の絵、だから僕は今すごく幸せなんだよ。」 貧しさゆえの差別を受け続け、孤児になり住む家も失って、行き倒れた教会でパトラッシュに語った言葉です。 ここがラストシーンの場所、これがネロが見たかったルーベンスの2枚の絵、そう思うと胸が一杯になりました。 【キリストの昇架】 ビーテル・バウル・ルーベンス 1610年 【キリストの降架】 ビーテル・バウル・ルーベンス 1614年 ネロ「パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ、何だかとても眠いんだ。」 この言葉の後、天使たちが舞い降りてきて、ネロとパトラッシュはここを昇って天国へ旅立ったのです。 聖母被昇天 ビーテル・バウル・ルーベンス 1626年 教会の一番奥にあります。
子供用の礼拝服が並んでいます。これが何かは分かりませんが、とても綺麗です。
それぞれの礼拝室に、それぞれの違った美しさがあります。 ギフトショップです。絵葉書を買いました。
再びマルクト広場から、ノートルダム大寺院とギルドハウス群とブラボーの泉のトリプルショットです。 塔の高さは123m、至近距離からではフレームに収まらない大きさです。
有名な肉屋のギルドハウスです。楽器の博物館になっています。
ステーン広場からのノートルダム大寺院 1352年から約170年の歳月をかけて建設され、右の塔は資金不足で工事が中断してしまったそうです。
ステーン城 元要塞の一部 子供の絵本に出てきそうな外観です。
ルーベンスの家 通りから見た外観は質素ですが、重厚な建物です。
中は豪華絢爛、広いアトリエもありましたが、残念ながら撮影禁止でした。
リエージュ風ワッフル ザラメのような砂糖が入って少しかたい生地、だから食べ歩きできます。
再びアントワープ中央駅より、アントワープを後にしました。
帰りにまた、ブリュッセルの町を少し歩きました。 行きのユーロスターは2等でしたが、一度乗ってみたくて、帰りは1等を予約してあります。 1等には食事が出るはずなので、軽く済ませるつもりで、イロ・サクレ地区のレストランに入りました。 この地方定番のムール貝の白ワイン蒸し 居酒屋メニューの「アサリの酒蒸し」を想像していたのに、あろう事か大きなバケツで出てきました。 ワインの「おつまみ」のはずが、1品でお腹一杯になってしまいました。
午後4時頃なのでガラガラでしたが、良い雰囲気のレストランでした。
車窓は田園風景が延々と続きます。 ユーロスターで提供される食事は、飛行機の機内食と同じ形式で、正直そんなに美味しくありませんでした。 行きの2等は29.5ポンド、帰りの1等は79.5ポンド、差額50ポンドの価値は無いと思いました。
|
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |