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アンダルシア紀行Ⅱ(コルドバ) 2007年6月
次の日はレンタカーを借りて、コルドバに行きました。 ミッション・右側通行・左ハンドルというトリプル初体験のため、市街地は友人に運転してもらいました。 市街地を出ると道は高速道路のように快適になったので、、自分も運転してみました。
走っても走っても延々と続くオリーブ畑
そして時折現れる小さな町 絵になる風景です。 途中で立ち寄ったドライブイン 右の黒い車が借りたレンタカーです。
ここで思わぬ発見、ドライブインの建物は廃線になった鉄道の駅舎でした。 遠くには信号も残っていて、鉄道好きにはたまらないドライブインでした。
3時間位のドライブでコルドバに着いて、レストランで昼食を取りました。 代表的な郷土料理が食べたい。と注文して出てきたのがご覧の通りです。 冷たい野菜スープのガスパチョは有名ですが、このアンダルシアが本場だそうです。 また、セビリアやコルドバなどの内陸では、魚介類のフライが名物料理だそうです。 もちろんハウスワインも美味しく頂きました。
イベリコ豚の生ハム固定台
コルドバでの目的のメスキータを訪れました。 メスキータは、イスラム教とキリスト教が同居した世界的にも珍しい歴史的建造物です。 その歴史を簡単に説明すると、 西ゴート王国時代からあった教会を、8世紀に征服した後ウマイヤ朝がモスクへ改築しました。 コルドバの発展に伴い、3度の拡張工事を行い、10世紀には2万5千人を収容する巨大モスクとなったのですが、 13世紀になると再征服したカスティーリャ王国が、今度はモスクを教会として利用しました。 そして16世紀、この巨大モスクの中央部に教会(礼拝堂)を建設してしまったことで、 モスクの中央に教会の屋根が突き出すという、唯一無二の不思議な姿となったのです。 メスキータの重厚な外壁 モスク時代の多くの門は、教会になって閉ざされてしまいました。
【左】 モスクのミナレット(尖塔)ですが、鐘が付けられて鐘楼となっています。 【右】 「オレンジの中庭」にある「アルマンソールの泉」 ムスリムはここで身を清めてからモスクに入りました。写真の半分から上は教会です。 これが「円柱の森」と呼ばれるメスキータの内部です。(最も古い入口付近) かつて1,000本以上あった柱の数は、教会の建設で減り、現在は850本程だそうです。 この辺りの主柱とアーチから上の装飾は、キリスト教によるものです。
【左】 右下の丸い穴がミフラーブといって、聖地メッカの方角を示す目印です。 天井の装飾に魅かれて構図に収まっていませんが、馬蹄形のアーチの奥は八角形の狭い空間があるだけです。 それにしても、アラベスク模様と金地モザイクの装飾が実に見事です。 内部は広く、しかも造りが一様ではないので、何をどこから見たらいいのか迷ってしまいます。
3度目の拡張跡【左】と、3度目の拡張区域にあるやけに傷んだアーチ【右】です。 2度目の拡張まで、アーチの紅白模様は赤レンガと白漆喰を組み合わせたものだったのですが、 3度目の拡張では、赤い塗料を塗っただけの簡単な造りになりました。 右の写真の1列奥のアーチなど、修復中なのか?真っ白です。
【左】 様々なイスラム模様が織り成す空間にも、キリストの十字架が架けられています。 【右】 メスキータの一角にある空間です。アーチが見えなくなる程の極彩色です。
薄暗い円柱の森の中心に現れる教会 教会の建設を許可したカルロス1世は、「どこにでもある建物のために、世界に1つしかない建物を壊してしまった。」 「メスキータのことを知っていたなら、決して許可を与えなかっただろう。」と嘆いたそうです。
光に満ちたマヨール礼拝堂 レコンキスタで多くのモスクは破壊されて姿を消しましたが、メスキータは生き残りました。 キリスト教徒は、教会に改修しても、中央に礼拝堂を建設しても、メスキータの随所に存在するイスラム芸術を残しました。 それは彼らがイスラム芸術を尊重していた証です。 ここコルドバには、宗教を越えて相手の文化を尊重する精神があったのでしょう。 メスキータは、そんな人々の歴史を物語る、魅力にあふれた建造物でした。
メスキータ北部に広がるユダヤ人街 レコンキスタ終了の1492年、追放令によってユダヤ人は姿を消したそうです。
写真スポットとして有名な花の小道 ゼラニウムの赤い花が白壁に映えます。
そしてまた、レンタカーでグラナダに引き返しました。 来る時に見つけたひまわり畑で写真を撮りました。 ひまわり畑に続くオリーブ畑が、北海道ではなくてスペインです。
ナスル朝宮殿は見逃しましたが、とても内容の濃い旅に満足しました。 アルハンブラ宮殿には、バルセロナとセットにして来ようかと、次の計画を考えるのでした。
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