このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください






- となりのキャバ嬢さん -

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案外近くの人だったりする、ってかそんな話。


高校時代の同級生だったY氏が、1年のブランクを経てうちの大学に入った。
同じ大学になったのはかなり偶然だが、
それでも地元を離れたところで同郷人がいると心強いものである。

3月、実家が金太郎のふるさとである彼が千葉まで通えるはずもなく、
当然ながら千葉で一人暮らしを始めることになった。
そんでもってあるときメールを送ってみると、こんなやりとりが。


 「もう住むトコ決まった?」

 「決まった決まった。ハマちゃんトコより全然広いよ。」

 「・・・マジかい。いいな〜」

 「まあね。ってか今度遊び来てよ。ヒマだから」



ということで遊びに行くことに。
2DKという学生にあるまじき広さに嫉妬しつつ、ムダに多いインテリアの自慢話に嫉妬しつつ、ついでにうちの部屋の狭さを指摘されて嫉妬した。
ホント、うらやましいくらい広い部屋である。

ところが彼によると、ここには一つ難点があると言う。
どうやら隣りにキャバクラ嬢っぽい女性が住んでいるらしい。
特に問題があるわけでもないが、あまりいい気分ではないらしいのである。
まあワタシはただ「贅沢言うな」って感じではあったが。


大学が始まってからもちょくちょく彼のうちに遊びに行っていた。
しかし、会ってその話が出るたびに、

 「なんか夜とか音楽うるさいし・・・」

とか、

 「しょっちゅうヤンキーっぽい男が泊まり来て、『おかえり〜』とか言ってる」

とか、そんな内容ばかり出てくる。
そんなワケで、だんだんちょっと可哀そうになってくるのであった。



入学式から2ヶ月が経ち、6月に入った。
彼は野球部のエースデビューをし、ワタシはミ○グ君デビューをした。
そんな中、一度会う機会があったので、話のついでに隣人のことを聞いてみた。

するとこんな答えが・・・


 「そういやそのキャバクラ嬢ってさ・・・」

 「あ、あれキャバクラ嬢じゃなかった。」

 「えっ?」

 「俺んちの隣り、Hさん(男)の部屋なんだって」




・・・そのHさんって、うちのクラスで席2つ隣りのヤツなんですけど
しかもオンナの部屋じゃなくてオトコの方ですか!
ついでにH氏の彼女もクラス内だし
どう見てもキャバクラ嬢ではないんですが・・・。
なんともえらい勘違いである。


・・・・・・
それから相も変らぬ日常が続くわけだが、クラス内で「ヤンキー」の彼と「キャバクラ嬢」の彼女のカポーを見るにつけ、なんとなく複雑な気分になるのであった。


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