このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

美しきイギリスの蒸気機関車

 鉄道発祥の国、イギリスには約140もの保存鉄道が存在する。2009年GWにイギリスを旅行する際、時間的には限られていたが2つの保存鉄道を訪問することが出来た。


1.North Yorkshire Moors Railway(NYMR)  2009年5月1日
 NYMRはヨークの北東に位置し、ピッカリングとグロウモンド間、約29kmを結ぶ保存鉄道だ。1835年に馬車鉄道として開業し、1965年に廃線となったが1973年に保存鉄道として復活した。20両以上の蒸気機関車を所有するイギリスでも有数の保存鉄道であり、すべてボランティアで運営されている。沿線はムーア(荒野)国立公園の美しい景色の中を走る。
 3月末から11月上まで週末だけでなく毎日運転されるのには驚かされる。しかも大形蒸気が9時から17時まで1時間毎に両駅から発車するため、息つく暇もないほどのまさに桃源郷である。

今回のスペシャルイベント最大の目玉は昨年6億円の寄付を集めて昔の図面どおりに18年の歳月をかけて復活した60163「A1 Pacific Tornado」 NYMRではこの日が初運転となった。
初めて見るイギリス蒸気の洗練された美しさと、初めて聞く3シリンダーのブラスト音に大感激!!

ピッカリングには転車台がないため、どちらかの方向が逆向運転となってしまう。機関車は63395 NER 0-8-0 ClassT2、1910年代の貨物機。3両目以降は美しい木造客車だ。


75029「The Green Knight」 BR4-6-0 Class 4MT  1951年製、2シリンダー機。日本にはない4-6-0に3軸テンダーというスタイルが興味深い。

「SIR NIGEL GRESLEY」の愛称を持つA4クラス60007。1938年に世界最高速度203kmを記録した有名な「Mallard」と同型機だ。3シリンダーに2m動輪を誇る。汽笛は正面上部に位置しており、ちょうど吹鳴しているのがわかる。汽笛音はイギリス蒸気独特の「ポヒィー」という感じのハスキー音だ。
本家本元の流線型スタイルでじつに洗練されたデザインで美しい。


イギリスらしい美しいなだらかな丘陵地帯を快走する「Tornado」。この「Tornado」はNYMRの所有機ではないため見られるのはスペシャルイベントの時のみとなるのが残念だ。グリーンと黒の塗装もイギリスの景色によくマッチする。


沿線には羊用の柵が続き、線路に近づくのは容易ではない。


素晴らしい「Tornado」のサイドビュー。ボイラー径2m、動輪径2m、車両限界ぎりぎりとなるため煙突、ドームは極めて背が低い。しかし全体の大きさは日本のC62と比べると全長が1メートル長い他は高さ、幅ともほぼ変わらない。


グロウモンド駅にて発車を待つ「The Green Knight」。エンドビームのバッファーが目を引く。ヘッドライトは電池?

映画ハリーポッターではホグワーツ魔法学校の最寄駅「ホグスミード」駅としてロケが行われた「ゴースランド」駅。1865年開業。この駅で上下列車の交換が行われる。黄色い花は日本で見かけない「ハリエニシダ」



2.Lakeside & Haverthwaite Railway 2009年4月30日
 湖水地方のウインダミア湖の南側、レイクサイドからハヴァースウェストまで5.2kmを18分で結ぶ、観光ミニ保存鉄道である。NYMRとは対照的に可愛らしいCタンクがのんびりと湖畔を行き来していた。

3698「REPULSE」0-6-0  1950年製


レイクサイド駅にて。

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