このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

私の旅(その2)

 

 

あの、ここはですね。私がかなりビシバシ厳しいことを言ってますけど、

いいのですか? ミュージカルをご覧になる方は、

とりあえず見ない方がいいのではないかと思いますが・・・

 

<メーテルについて>

今回のメーテルは、かなり高飛車である。「女王様とお呼び〜」という雰囲気が全篇を通して漂ってくる。鉄郎が機械警察に捕まったときも「この少年をお運びっ!」という具合だし、鉄郎にパスを渡すシーンでもかなり恩着せがましいしゃべり方をしている。(ついでに言っておくと、このときのメーテルはネグリジェ姿である) さらには惑星メーテルで捕らえられた鉄郎を助け出そうとしたときだって一歩おいて接している。なんだか、タカラヅカの男役って感じだったな。(あ、そうか。大浦みずきさんはもともとタカラヅカなんだっけ) これじゃ神秘性とか母性とか、そういう次元の問題じゃないよなー。

 

<クレアと鉄郎について>

アートスフィアのホームページを見ていたときのこと。「鉄郎の恋人クレア役にスージー・カン」 ふうん。鉄郎の恋人役はスージー・カンなんだあ。鉄郎の・・・え? 鉄郎の恋人って、鉄郎が慕っているのってメーテルじゃなかったのーっ!? クレア? クレアねえ。まあ、クレアも悪くないけど、クレアだって可憐だけど、でもやっぱり鉄郎にはメーテルと幸せになって欲しいんだなー。

さて、ミュージカルの鉄郎とクレアに話を戻そうか。この二人。らぶらぶなんだよね。鉄郎よ、あんたの旅の目的はなんなのさ。クレアにイチゴショートを運んできてもらって(初めてクレアに会うシーンで、イチゴショートを食べてたお茶目な鉄郎。予算の関係上、ビフテキは絵コンテの段階で却下されたのだろう)、二人でラブラブになることじゃないはずだぞ。これじゃメーテルの立場がないからなー。メーテル、いてもいなくても問題ないし・・・

 

<シャドウについて>

踊りまくっている。この一言に尽きる。

鉄郎を眩惑するのもいい。魂の抜け殻を呼び覚ましてともに歩むもよい。しかしシャドウよ、顔がないのに何故踊る? 限りある命と永遠の命の間で思い悩む女がそこまで踊る理由はなんなのか? そこのところを私は問いたい。

 

<車掌について>

今回の功労者は誰がなんといおうと車掌であろう。オープニングからいきなり宙吊りになって歌わせられる。トレーダー・ジャンクションでは時間を過ぎても戻らない鉄郎のために999の発車時刻を遅らせる。勤勉一筋の車掌にとってこの決断、尋常なことではあるまい。しかし、メーテルもメーテルだ。「あなたは悪くないわ。とてもいーいことをしたのよ。私がちゃんと口添えしてあげるわ」ってそれはないだろう。惑星メーテルについた車掌は、メーテルの尽力で特別ボーナスがついたうえに昇進までして、胸には勲章、帽子には赤い羽根(もちろん募金の羽根とは違う)をつけて得意満面(って車掌の場合は表情がないからな・・・)で登場する。日本の鉄道は止めたり遅らせたりしたら罪になるのにさ。

心の広い銀河鉄道株式会社、万歳! ってことかもね。

 

<リュウズについて>

実に個性的なリュウズと言えよう。かぼそく、息も絶え絶えに歌う映画・コミックスのリューズ(コミックスとTVではレリューズ。リューズは重力の底にいるレリューズの妹)とは違って、ロック系の歌を歌いまくり踊りまくる女、リュウズ。(そういえばTV版のリューズ=レリューズの妹はフラメンコを踊っていたな。この姉にしてあの妹ありというわけか?)まあ、これはこれでいいとしよう。ただ、やっぱり髪にメッシュを入れるのはやめた方がいいと思うぞ。

しかし、そんなに機械伯爵がいいかねえ。時間を操る力があれば、男に頼らずとも生きていけよう。私がリュウズならば機械伯爵よりもハーロックを所望する。(ミュージカル版のハーロックではないことを申し添えておく)

 

<総評>

ミュージカルそのものの出来はよかった。歌も悪くない。音楽もいい。ただ、自分の中にすでに出来上がってしまっている、コミックス・TV・映画の999のイメージとどうしても比較してしまう。「エメラルダスの出番をハーロックが取った」だの「メーテルが高飛車」だの「クレアと鉄郎がラブラブ」だのと、物語の本質とは全く関係ない些細なことが(クレアと鉄郎の関係は今回に限りストーリーの重要な鍵を握っている)気になってくる。

まあ、とりあえず面白かったことは認めよう。背景もかなりきれいだったしな。久々のミュージカルだったわけだし、あまり私があれこれ言うのもちょっとどうかと思うしねえ。まあ、そういうこと。

 

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