このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
ストーリー紹介
ミュージカルを見に行くことができない方のために、
ミュージカルの内容をお届けします。
<第1幕> 地球は永遠の命を持つ機械人間に支配されていた。そんなときに銀河鉄道999が地球に降り立った。鉄郎は999のパスを買う機械化人からパスを奪い取ったが機械化兵に捕まってしまう。そこに現れたのがメーテルだった。「この少年を連れて行きなさい」そういうとメーテルは立ち去った。 鉄郎は夢を見た。幼い日のことを。母に手を引かれて歩いた日のことを。そのとき母ははっきりと言ったのだ。「おまえのお父さんは科学者だった。機械人間の開発研究をしていた」と。しかし、機械伯爵の人間狩りによって母は殺され、連れて行かれてしまった。 鉄郎が目を覚ますと、そばに女がいた。「君は?」そう尋ねる鉄郎に「私はメーテル」と答える謎の女性。彼女はアンドロメダまで行くと言う。もしボディーガードとしてともに旅をしてくれるのなら999の定期をただでくれると言う。機械伯爵への復讐を誓う鉄郎にとって、願ってもないチャンスだった。 999の最初の停車駅はタイタン。土星の衛星である。初めての宇宙に降り立った鉄郎。ところがメーテルが何者かにさらわれてしまう。メーテルを助けようとして逆に倒された鉄郎を救ったのは一人の老婆であった。彼女の息子は若い頃に旅に出たまま戻らないと言う。鉄郎の中に息子トチローの影を見た老婆は大切にしていた戦士の銃とマント・帽子を鉄郎に与える。戦士の銃のおかげでメーテルを救い出した鉄郎は再び旅を続けるのだった。 列車に戻ったメーテルは鉄郎を食堂車に行かせる。メーテル自身は自分の客車で胸にかけたペンダントに封じ込められた父親・ドクター蛮と語り合う。「お前の使命を忘れるな」という父親に悩むメーテル。「鉄郎は今までの少年とはどこかが違う。鉄郎はタイタンで、私がさらわれたと思って命懸けで助けてくれた。私はどうしたらいいのかわからない」そんなメーテルに「やっと母親から自立したのだな。疑問を持つことが人生なのだ」とさとすドクター蛮であった。 一方鉄郎は食堂車で、クリスタルガラスの体を持つウェイトレス・クレアに出会う。生身の体を買い戻そうとして999で働くクレアに、「そんなにきれいな体なのにどうして?」と尋ねる鉄郎。「私の体はガラス。温かい体に戻りたい」と自分の想いを言葉にするクレア。二人の間にはほのかな恋心が芽生えはじめた。 そのとき宇宙海賊キャプテン・ハーロックが999の進路を横切った。ハーロックにどうしても聞いておきたいことがあった鉄郎は銃を撃ってアルカディア号を止める。999に侵入したハーロックに対し、機械伯爵の居所を勇敢に尋ねる鉄郎。はじめは馬鹿にしていたハーロックも、戦士の銃が鉄郎の手に渡ったいきさつを聞いて、「機械伯爵は時間城にいる」という情報を教えるのだった。しかし、宇宙の全ての時間を自由に行き来できる時間城のありかはハーロックにもわからなかった。 鉄郎と別れたハーロックがアルカディア号に戻ると、船の心になったトチローが迎えてくれた。そのトチローから、時間城の行き先がトレーダー・ジャンクションだと告げられる。ハーロックからタイタンに残してきた母の消息を聞いたトチロー。二人は鉄郎を守ることを約束して、アルカディア号の進路をトレーダー・ジャンクションに向けるのだった。 999は冥王星に向かった。冥王星は機械になった人間の体が眠る氷の墓場。クレアの元の体もここにあるという。クレアに連れられて墓場にやってきた鉄郎は、クレアとはぐれて道に迷ってしまう。そこに現れたのは氷の墓場の管理人・シャドウだった。シャドウは機械の体になってはみたものの生身の体にも未練があり、鉄郎をそばに置きたいと願う。危機一髪というところでクレアに助けられた鉄郎。二人は無事に999に戻ることができた。 次の停車駅は、トレーダー・ジャンクション。ここに時間城が現れると知っていきり立つ鉄郎。それを必死になだめ、地球に引き返させようとするメーテル。列車の中にいれば安全だと説得するクレア。二人の想いを振り切って鉄郎はトレーダー・ジャンクションの大地に降り立った。
<第2幕> トレーダー・ジャンクションの酒場ではリュウズの歌が響いていた。そこに現れた鉄郎は時間城の場所を尋ねたために機械化人たちになぶり者にされる。それを救ったのはハーロックだった。「私は時間城のパイロット。機械伯爵に何の用があるの?」 そう尋ねるリュウズに過去の悲劇を語る鉄郎。愕然として逃げていくリュウズを追って鉄郎は時間城へ入り込んだ。 機械伯爵は時間城の主。その時間城を自由に移動させていたのがリュウズだった。鉄郎が機械伯爵を追いつめ母の仇を討とうとした瞬間、機械伯爵とリュウズを防護ガラスが守る。時間を進めるよう命じる機械伯爵に、リュウズは「卑怯なことはしないで。一度でいいから男らしく正々堂々と戦って」と懇願する。それでも戦おうとしない機械伯爵を見て、防護ガラスを解除し、時間城自身の時間を進めたリュウズ。機械伯爵はリュウズを撃ち、鉄郎は機械伯爵を撃ち殺した。リュウズを助けようとする鉄郎に、「花の種を探して。人間の未来が込められた花の種を・・・」と言い遺し、息絶えた。 なかなか戻ってこない鉄郎を心配して待つクレアと車掌。ついに発車時間になり、クレアはこの星に残ることを決断する。「私たちは列車から長時間離れては生きられない」という車掌の説得もクレアの決心を変えられなかった。ついに車掌は自分自身の一存で999の発車を遅らせてしまう。そこにようやく戻ってきた鉄郎。再び999は終着駅を目指して動き出した。 列車に入った鉄郎はクレアに「花の種」にを探すことが旅の新しい目的だと告げる。ところが「花の種」はクレアにも聞き覚えのある言葉だった。科学者だった両親が、全ての生物の遺伝子を埋め込んだという花の種について話してくれたことがあったのだ。二人は奇妙な偶然に驚きながらも、互いに愛を確かめ合う。 そこに現れたメーテル。「大事な話があるの」そう言って、メーテルは話し出した。「あなたとの約束。なかったことにしましょう。次の停車駅が終着駅。あなたはそのまま999で地球に帰りなさい」 あまりにも意外なメーテルの言葉に、「俺は最後までメーテルを守る」と言い切る鉄郎。そのとき、車掌が終着駅の名を告げた。「次は終着駅・惑星メーテル」 終着駅の名が旅の連れと同じ名前だったことにショックを受ける鉄郎はメーテルを問い詰めるがメーテルは何も言わない。そして999は静かに終着駅に降り立った。 列車から降りた鉄郎とメーテルを待っていたのは機械化兵であった。メーテルをプリンセスとして出迎えた機械化兵。その機械化兵に殴られて、鉄郎は気絶する。 次に鉄郎が気がついたときには、この星を、いや全宇宙を支配する女王プロメシウムの前にいた。「お前はこの星を支える機械の部品、ボルトにしてやろう」 冷たく言い放つプロメシウム。必死でメーテルの名を呼ぶ鉄郎に、「あれは私の娘。お前を助けるはずがない」と告げる。そしてまさに鉄郎がボルトにされようとした瞬間、メーテルが駈け込んできた。今まで黙って母親に従ってきたのは機械帝国を滅ぼすためだったことを告げるために。そしてその旅をこれで終わりにするために。ドクター蛮はカプセルの中からメーテルに呼びかける。「自分の信じた通りに生きるように」と。父親の魂を封じ込めたカプセルを星の中心に放てばこの星は崩壊する。最後になって躊躇するメーテル。「私がやります!」そこに飛び出してきたのはクレアだった。メーテルの手からカプセルを奪い、自分の体ごと星の中心に飛び込んでいったクレア。こうして機械化母星は崩壊した。 旅から戻り、地球に降りた鉄郎。「俺にはもう何もない。未来を誓ったクレアももういない」 歎く鉄郎にそっと寄り添うメーテル。「あなたは一人じゃない。クレアはいつもあなたのそばにいるわ」 そう言ってメーテルはクリスタルガラスのかけらを渡した。それは砕け散ったクレアの体の一部だった。「その中を見てごらんなさい」 促されてかけらを覗き込んだ鉄郎はあっと驚く。そこには探し求めていた「花の種」が入っていたのだ。科学者だったクレアの両親が、全てのものが滅びてしまうことを恐れて希望の種を埋め込んだのだった。生きる勇気を取り戻した鉄郎に、メーテルは別れを告げる。「今度会っても私だということはわからないでしょうね」 「君のことは絶対に忘れたりしない」 こうしてメーテルは地球を去っていった。そして鉄郎の本当の旅はこれから始まるのだ。 |
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