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部員の意見パート1 日比谷線事故のレポートを作るにあたって このレポートを製作しようと考えたのには以下の理由があります。 第一に営団地下鉄の調査のずさんさが挙げられます。事故調査のほとんどが 警察側による一方的な調査であること、すなわち、営団側からの調査報告が利用者 には全くされていないということです。また、営団の作成した事故調査報告書は、 ほんの数枚程度しかありませんでした。 1990年に起きた信楽高原鉄道衝突事故の事故調査報告書もわずか12枚の レポートであったということが、センセーショナルに報道されたばかりです。例えば、 アメリカ合衆国などでは小さな事故であっても細かな調査がなされ、100枚以上の レポートが提出されることが多々あるそうです。対し、日本の場合、大きい事故であった としても数ページで終わってしまうレポートで、これを事故調査がなされたと言えるで しょうか。これは事故によって亡くなった被害者の遺族に、そしてそれら交通機関を 毎日利用している利用者の私達に説明する義務を怠っているとしか思えません。 私達はこのような鉄道会社の行為に対し、憤りを感じます。 第二に、どのような事件、事故も時が経つに従い人々の記憶から薄れ、忘れ去ら れてしまうからです。これについては、ショッキング、トピック性を追いかける現メディア の報道姿勢も拍車を加え、新事件が起ることにより、昨日起った事件は秒速的に 過去の事件となってしまいます。しかもただ事故だけでなく、その反省点や教訓、 予防対策なども共に忘れ去られてしまうのです。すなわち事故に対する緊張感や 心構えまでも失うことになり、事故の経験が無価値と化してしまうと考えます。 第三に、このレポートを通じて鉄道会社に「人の命を預かる責任の重い仕事に 従事している」ことを改めて再認識していただき、鉄道を愛する私達の意見にも耳を 傾けてもらいたいと考えたからです。 鉄道研究部員として提言すること このような事故を起こさないためにも護輪軌条の設置基準を厳しくした方がいいと 思う。 2年B組 小津 伸明 今回の事故で多くの人が怪我をしたり、死んでしまったことによって、電車に乗る人 が少なくなってしまうことを心配している。そのためにも鉄道に関する安全値や管理 方法などを検討し、このような事故を二度と起こさないようにしてもらいたい。 2年B組 田中 秀樹 今回の事故で全ての鉄道会社の急カーブ地点に、脱線防止のための補助レール を取り付けてもらいたいものだ。日比谷線 南千住?三ノ輪 間にも急勾配・急カーブ があるのでその区間にも同じ事故が起こらないようにしてもらいたい。また、今回の 事故で衝突に強いと思われていた車輌が、あのようにも簡単に破壊されてしまった ことに驚かされた。そのためにも、もっと頑丈な鋼鉄車輌を造ってもらいたい。 3年B組 岸 功二 新聞等に書かれている日比谷線の事故の「原因」の所に、「何らかの理由で・・・」と いうところが妙に気になった。僕は、製作会社側の安全対策の技術過信や人間の おごりによってこの事件が起きたのではないかと思う。 3年B組 小池 領 正直に言って、この事件は定期テストの最中の出来事だったので、あまり深くは 考えられなかったが、改めて1ヶ月経ってから事故の状況を考えるとゾッとする。 ただ、不幸中の幸いといって良いのか分からないが、もしこの状況が上下線逆で あったら、本当の大惨事になっていたかもしれない。(ちなみに、僕はこの事故の 2ヶ月前にそこの場所を通過しました。ここは車輌同士がすれ違うとき、本当に怖い 場所です。) 6年E組 齋藤 隆司 事故が1時間前のラッシュ時に起きたら大惨事になったと考えると恐ろしい。この 事故による死者は5名、負傷者は30名以上、事故で亡くなった1人は前途ある、私と 同年代の若者であった。彼の遺族の気持ちを考えるとその怒りや悲しみは想像しが たい。死者を悼んで事故現場に花を手向け、手を合わせる人達の姿が印象的で あった。 私だけではなく、多くの人が鉄道会社に対する不信感や憤りを感じたはずだ。 事故が起こってから初めて「鉄道の安全性」を振り返るのではなく、利益優先・ 最新技術を追うことに走らず、「人」を運ぶ仕事、すなわち、「人の命を預かる」という 絶対精神の徹底と再確認を切に願う。 6年E組 今野 俊賢 概略 2000年3月8日午前9時過ぎ、東急中目黒駅から恵比寿駅方、約120メートル 付近で日比谷線車輌同士の脱線衝突事故が起こった。この事故により、死者5名、 負傷者約30名を出す大惨事となった。 車輌の状況 脱線事故を起こした上り列車営団地下鉄所有03系第2編成8両目で車号は 03?802である。この車輌はアルミ製で窓の天地寸法が大きく取られており、軽量で コストが安いということで登場した。このメリットとも思われる点がデメリットとなったかの ように、事故では接触時において進行方向右側面が大きく破損し、ほとんど側板の 無い状態であった。下り列車は東武鉄道所有の20050系6両目で車号は20652の ステンレス製車輌。同様の弱点を持っていた。この下り車輌は損傷こそ少ないものの 進行方向右側面の側面よりの一部がえぐられてしまった。 事故の原因 事故の主な原因は「輪重抜け」という現象であり、他、様々な要因によって起きた 「競合脱線」とみられている。 「輪重抜け」とは、 1車両には計2個の台車が付き、1つの台車に4個の車輪がある。通常 は、車体・乗客の重量などの総重量が全ての車輪に均等にかかるようになっている。 が、走行時の揺れやカーブ等によって1個にかかる荷重が極端に小さくなる現象を 「輪重抜け」という。この現象により、車輪とレールの間に隙間が出来やすくなり、この ときに横の力がかかることによって「せり上がり脱線」が起きる。 「競合脱線」とは、 1つだけではなく、複数の要因が重なり合って起きた脱線のこと。 今回の要因としては、@ 車輪の状態 A 車両バランス B レールの補修状況 C 勾配のある急カーブ D レールに油を塗る「塗油器」の動作異常 E 「輪重(車輪に垂直にかかる力)」のバランスの狂い 等、10の原因がある。 論理的には、原因究明がされたとはいえ、実際にはレールや塗油器に特別な 異常が見つけられず捜査は難航、今回の事故解明原因の調査は長期化が予想 される。 解体した台車は製造元である住友金属工業関西製造所に移送され、4月7日 現在、製造過程に問題がなかったか調査が続けられている。 これを機に4月8日には、横浜市営地下鉄や営団地下鉄銀座線が使用している 住友金属工業の製造した台車の一部に欠陥が発見され、製造会社は鉄道会社に 早急な点検・調査を依頼することになった。異常の場合には即回収を要請した。 前記欠陥車の台車は日比谷線の車両と同機種のため、事故との関連性が考察され、 現在、日比谷線を含む多くの鉄道会社が点検・調査を行っている。
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present by konno sub tako2
立正鉄@tako2:代表
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